Contract love ～偽装恋愛～ 22 (ページ5)

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凛side 渡さないページ5

新一「うわー。お前そんな事言う奴だったっけ？」

凛「そうだけど？」

飲み会が終わり、
Aに会いたいな…
もう寝てるよな。
明日の朝から会えるかな…
そう思って歩く帰り道。
停まった高級車から降りて来た女の人を、
必死になって引き留めようとする男の人がいた。

「…また、会いに来るから。」

「もう会わない。さようなら…。」

こんな夜遅くに近所迷惑だな。
そう思いながらも、
立ち止まるわけにもいかず、
下を向き見ないように、
近付いた瞬間、

紫耀「A待って！さよならって、そんなの嫌だよ！A！」

えっ？A…？
同じ名前の人？
ビックリしたー。
そう思いながら、
ふと顔を上げてしまった先に、
まさかの、
俺の彼女のAがいた。

凛「えっ？…A？…出掛けてたの？」

何でこんな夜遅くに、
知らない男の車から降りてくるの？
Aも気まずいって顔で、
オドオドしている。
この状況って…
怒りや悲しみの感情もあったけど、
俺は冷静だった。
それでも、
Aの手を取ると、
左手に指輪がある事を確認した。
良かったあった…
これを外されてたら、
結構なダメージだったはずだから。

そして、立ち尽くす男に向かって、
冷静に、
必死に大人の対応をした。
暗くて見えにくかったけど、
その男が年下だと思ったから、
わざと俺は大人の男の余裕ってのを見せつけた。

手を引いて俺の部屋へ。
その帰り道も、
家に着いてシャワー浴びている時も、
怒りや悲しみの感情があったけど、
でも、口にはしたく無かった。
Aの事を責めたり、
問いただしたりとかも出来なかった。
怖かったんだ…
浮気だと認められる事が、
Aを失う事が…

元彼…
やっぱりか…
部屋に行き、
キスしたから、
俺に振ってくれと言う。

浮気だよね…

でも、振るなんて、
そんな事俺は出来ない。
こんなにも愛してるんだから。

Aが元彼を選ばずに、
嘘ついてでも、
俺に知られないようにして、
俺との付き合いを続けようとしてくれていたって事が、
バカだと分かってるけど、
…嬉しかった。
だから俺は許すよ。

Aを失うよりも、
何も無かった事としてでも、
一緒にいる方がいいから。

それでも、
Aの行動への
悔しさ、
悲しさをぶつけるように、
その日はAを抱いてしまった。

あの男にAは渡さない。
そんな強い思いで…

これでいい。
これでいいと必死に自分に言い聞かせながら…