フリをする ページ21
それから私は、
凛と付き合っていながら、
紫耀とも連絡を取る、
最低なことを続けるようになった。
ただ、紫耀とはまだ体の関係はない。
そして、
凛の前では、
いい彼女のフリ。
何も無かったフリ。
上手くいっている普通の彼氏彼女のフリ。
凛は私が浮気をしたあの日から、
今まで以上に優しくなった。
でも、
きっと無理してる。
そう感じるの…
そして、
ある夜、
紫耀には、
紫耀「ねぇ、彼氏と会う日が分かったら、教えて？」
A「…何故？」
紫耀「その日は連絡するのも、会いに行くのも我慢するようにするから。」
A「…紫耀」
紫耀「俺は2番目の男だからさ…」
凛と会う日は連絡をしないからと、
自分からそう言ってくれた。
紫耀にも、
こんなにも無理をさせている…
紫耀は2番目としてでも、
私との関係を続けていきたいと、
だから気にしないでと、
そう言ってくれたけど、
そこまで言ってくれてる紫耀に、
私は何もしてあげれない。
でも最近気付いた事がある。
凛の事は、
好きでいないといけない。
と、必死に思っていて、
紫耀の事は、
これ以上好きになってはいけないと、
必死に堪えている自分に…
これが答えだと分かっているのに、
やっぱり私は今日も凛と会う。
紫耀に、
凛と会うことを伝えてから…
凛の部屋に置いている部屋着に着替えて、
テレビを見ていた。
凛「ねぇー、これ今度観に行こうよ！」
流れた映画の宣伝。
その映画は、
紫耀が好きだと言っていた映画だった。
この間電話で、楽しみだと言っていた。
A「うん…」
凛「あっ、恋愛ものとかの方がいい？」
私の返事が引っかかったのか、
気を遣ってそう言ってくれる。
ごめんね…
A「ううん、面白そうだし。観に行こう？これまでの映画観て予習しとくね？」
そんな私の言葉に嬉しそうな凛に胸が痛んだ…
紫耀にこの間、
1度もその映画観た事がないって言ったら、
紫耀「じゃあ今度一緒に家で観よう？初めから観なきゃだし、何作もあるから、ちょうどいいよ。そのうちこの最新作のDVDが発売されるはず。その時に一緒に観よう？楽しみだなー。」
そう言っていた…
普通の人みたいに、
観たい映画でさえも気軽に観に行けないもんね。
ましてや2人で行くなんて無理。
そんなこの映画を、
凛と観に行くって知ったら、
紫耀は悲しむよね…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
