言う通りにする ページ37
お風呂から上がり、
火照った体を冷ますように、
ソファーでお水を飲んでいると、
横から私の顔をじっと見られる。
そして、
紫耀「なんかさ、やっとAに会えた気がするな。A、久しぶり！」
真横の私に向かって笑顔で手を振られる…
どう言う意味？
分からずに紫耀を見つめていると、
紫耀「あー、いや、スッピンのAを見てたらさ、やっぱりスッピンは幼くなるし、可愛いって思って…。それに、俺のＴシャツ着てくれてる姿も堪んないしね。あー、なんか懐かしいなー。Aのスッピン好きだったなーって思い出してた。でも、今は、この顔を見れるのは、俺だけじゃないけどね…」
悲しそうに無理して笑顔を作る紫耀。
A「…紫耀」
紫耀「はぁ…マジでごめん…なんかこんな事言うつもりなんて無かったのにな…」
今の紫耀の頭の中には、
凛がチラついているんよね…
どうしてあげることが今の紫耀にはいいのだろうか…
そう考え、
A「紫耀？」
体ごと紫耀の方へ向けた。
紫耀「んー？」
A「明日まで一緒にいるでしょ？私たち。私にして欲しい事ある？なんでも言って？言う通りにするから。紫耀の為に明日までは過ごしたいの。」
こんな事しか思い浮かばないけど、
少しでも紫耀だけの為に明日までは過ごしたいって、
そう思っている事を知って欲しいの。
紫耀だけだよって。
紫耀「…いいの？」
口をギュッと閉じ、
眉間に皺寄せて私を見る。
A「もちろん、何か思い浮かんだ事ある？」
紫耀「凄いワガママな事でも？Aが絶対に嫌だなって思うようなことでも？」
A「うん。いいよ。」
紫耀「……スマホを触らないで欲しい。」
A「スマホ？」
紫耀「…うん。というか、連絡しないで欲しい。LINE入れるのとか、見たくないし、電話も聞きたくない…ごめん…」
A「分かった。電源落とすね。」
立ち上がり、
バッグの中からスマホを出し、
電源を落とした…
こうでもしないとダメだから。
きっと、凛から連絡が来るから。
もう、連絡が来てたかもしれない。
凛からの電話にも出ずに、掛け直しもしない。
LINEも返さない私を、
きっと心配するよね…
凛、ごめんね…
最低な私は、
凛への言い訳を、
もう頭の中で色々と考え、
平然と嘘を並べる準備をしながら、
スマホをバッグへ入れ、
紫耀の横へ戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 577人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
