Contract love ～偽装恋愛～ 20 (ページ8)

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いい？ページ8

いい？

その意味は、
もうそういう事を始める前の私達の合図。
でも、
そう言って、
あと数センチで唇が触れるという距離で、
動こうとしない紫耀。
今日の、
その、いい？には、
別れ話は終わりでいい？
って事の意味も含まれるよね？
それが分かっていても、
こんな雰囲気に弱い私は、
その唇に触れたくて堪らなくなってしまう。
そっと近付こうとすると、
紫耀は顔を少し後ろに引いた。

そして、

紫耀「いい？」

またそう言う。
目は、
本当にいいの？
って訴えかけてる。
ちゃんと確認しようとしてくれているんだよね？
唇が触れてしまえば、
もう逃げられないって事を。
受け入れるって事の意味を。
つまり、
別れ話は終わりだって事になる。
そう思うと、
少し冷静さを取り戻す。

そして、

A「…良く、…ないかも。」

今度は私の方が後ろに引きながら、
そう言うと、

紫耀「ダメ。」

そう言って、
力強く引き寄せられ、
キスされた。

柔らかなその唇の感触に、
もう引き返せない。
あーあ…
ダメなのに…
心の中ではそう思った。
でも、
こんなにも好きなんだから…
とか、
いろんな想いでグチャグチャ。

心とは裏腹に、
久しぶりの紫耀とのキスに、
身体は疼く。
首に腕を回すと、
紫耀も私の後頭部と腰に手を回し、
深く深くキスを続けた。

自然と紫耀の膝の上に誘導され、
上から紫耀を見下ろしながら、
キスをする。

流石に息が苦しくなって、
唇を離し、
肩に手を置いて、
体も離そうとすると、

紫耀「逃がさないよ。」

オスの目つきをした紫耀にそう言われた。
かっこいいんだけど、
かっこいいんだけど、
そんな獲物を狙うみたいな目…。笑
なんだか笑えてきた。

A「目が…フフ。怖いよ。笑」

紫耀「あー、もう。可愛い…。笑った顔ヤバい…」

一瞬にして目尻が下がると、
いつもの優しい目に戻って、
私の胸に顔を埋めた。
そんな紫耀がなんだか可愛くて、
サラサラの髪を撫でた。