アイドルだから ページ6
A「じゃあ、私達って、今はどんな関係なの？」
紫耀「そんなん決まってるじゃん。全然恋人同士じゃん。」
A「でも、距離置いてるよね？」
紫耀「うん…まぁそうかもだけど、別れてはない。ってか、やっぱりこんな話しになってるじゃんか…。俺の事嫌いなの？」
涙目で私を見てくる。
A「嫌いじゃないよ？むしろ…ううん。やっぱりなんでもない。」
紫耀「はぁ…」
そう言って、
顔を手で覆って黙ってしまった。
正直に今日は話す。
そう決めて来たから、
ちゃんと話そう。
A「聞いて？あのね、私紫耀の事好きだよ。大好き。愛してる。紫耀と出会った頃には想像もしてなかったくらい好きになりすぎちゃったの。紫耀がアイドルじゃなければって…、最近はそんな事を思ってしまうの…。だから、ダメなの…。ごめんね？欲張りになってしまって。」
紫耀「それのどこがダメなの？むしろ嬉しいんだけど。」
A「だから、アイドルだからよ。」
紫耀「だから、それなら俺は迷わず、」
A「だからダメなの」
紫耀「なんで？なんでダメなの？」
A「分かるでしょ？メンバーやファンの人達を裏切るわけにはいかないって。」
紫耀「でも！」
A「ううん。ダメなのよ。私達は、もう無理よ。」
紫耀「それはAの考えでしょ？俺は絶対にAを離さないから。無理だから。Aの気持ちはよく分かった。気持ちが聞けて嬉しいし、話してくれてよかった。でもだからこそ絶対に別れない。」
A「…でも私は、きっと紫耀をダメにする。それが怖いの…」
紫耀「ねぇA聞いて？俺がダメになる時は、きっとAを失った時だよ？俺ね、Aと付き合ってから、撮影で、色っぽくなったとか、いい顔する様になったって、よく褒められるんだ。それって、Aのお陰なの。褒められる時はいつもAの事思い出して気持ち作ってるから。だから、俺をダメにするとかはないの。むしろその逆だって、知ってて？」
そう言って、
私を優しく抱き寄せた。
その腕の温もりを跳ね返すことが出来なかった。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年4月22日 17時
