Contract love ～偽装恋愛～ 20 (ページ34)

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紫耀side 永遠に… ページ34

送別会がお開きになって、
各々Aと最後の挨拶を交わして行く中、
俺は側には行かなかった。
みんながお疲れ様、ありがとうって言っている
流れで、その流れに乗って言ったぐらい。
これぐらいがちょうどいい。
これぐらいの関係だったはずだから。
職場での俺とAは。

そして、
最後に岸君と別れの挨拶を交わしていたのを、
俺は先に乗り込んだ車の中で聞いていた。
岸君は、
まるで明日も何も変わらずAが迎えに来て、
また会えるかの様な、
そんなあっさりとした挨拶を終えると、
車に乗り込んできた。

紫耀「岸君さー」

あんな挨拶で良かったの？
そう言おうと思った瞬間、

岸「あー！ヤッベ…あー、マジで涙止まんないわ！」

そう言い出し、
ボロボロと泣き始めたからビックリした。

紫耀「えっ？今？今泣くの？」

岸「うん、だってさ、俺が泣くと、Aちゃん困らせるじゃん？だから我慢したんだよ。でも、最後はギリだった。」

紫耀「変なの。別に困りはしないんじゃね？」

そんな話をしていたら、
発信した車。

岸「あー、手振っててくれてるし…。こんな所だよね…あー、涙止まんないわ…」

向こうからは絶対に見えないのに、
振り返り、
泣きながらずっとAに手をふり返してる。
俺もどんどん小さくなって行くAを
見つめていた。

岸「なんかさ、実感がないんだよね。明日からAちゃんがいないなんてさ…。でもそんなこと言ったら、次のマネージャーさんにも悪いし、Aちゃんも心配しちゃうから、言えないんだけどね。だから、明日からAちゃん断ちだ！俺、頑張るから！Aちゃんがこれからテレビで俺を見た時に、頑張ってるなって、いい男になったなって思って貰えるように、俺頑張る！マジで！誓うから！」

凄い圧で、俺に誓われた。

紫耀「いや、俺に誓われても…」

岸「確かに。笑」

やっと笑顔になった岸君を見ながら、

俺も…
と、
そう思ったんだ…

大好きだけど、
でももう手放さなきゃなって…

最後は、
最後だからアパートに行きたかった。
最後だから、
Aの空間でって…
ううん…
自分の部屋で、
ツライ思い出を残したくなかっただけなのかも…

涙を流しながら話す、
そんなAからの最後の言葉を聞くと、
我慢ならずにキスしてしまっていた…
俺が欲しい言葉を最後は言ってくれるんだね…
ありがとう…
俺も愛してたよ…

ううん、今でも愛してる…
きっとずっと…
永遠に…