逆 ページ16
独りで勘違いしているところ申し訳ないんだけど、
A「違う！違う！どちらかと言えば、その逆よ。」
瞳「…えっ？逆？って、えっ？嘘…別れたとか？」
A「フフ。」
瞳「えっ？なんで笑ってるんですかー。」
A「いや、瞳ちゃん可愛いなって思って。私もそんな風にちゃんと感情を出せれば良かったのかなって…」
瞳「…一体何があったんですか？」
A「うーん、なんか色々あり過ぎて…。で、今は距離を置いている？ん？どうだろう、とにかく私は、まだ距離を置かせてもらってるつもりでいるだけどね。」
瞳「別れてはないって事ですか？まだ…」
A「うん。私の心が行ったり来たり…、気持ちが揺れてしまって、はっきりできないからなんだけど。」
瞳「別れようって、Aさんが？」
A「うん」
瞳「彼は、別れたくないと…？」
A「うん」
瞳「まぁ、そうでしょうね。でも、Aさんは何故別れたいと思ったんですか？なんだかんだ上手くいってたんじゃないですか？」
A「うーん、そうね…。私ね…」
それから、
妊娠したかもしれなかった出来事がキッカケで、
彼の仕事の事を考えるよりも、
女としての幸せを願ってしまった事、
マネージャーなのに、
そんな思いを抱いてしまった事に、
自分が許せなかった事。
このままだと紫耀をダメにしてしまうと思った事。
全部を話した。
A「彼の事を好きになり過ぎてしまったの…。だから怖くて。」
瞳「…そんな事が…」
A「でも、彼は納得してくれないの。絶対に別れないって昨日も…。会えば私も好きな気持ちは変わらずにあるから、別れたくないって方向に傾きかけてしまって…。で、そんな自分がまた嫌で…。そんなふうに揺れるくせに、疑われると、だから嫌なんだよなって、イライラしたり…。何やってるだろう私…」
瞳「まぁ、そうなりますよ。だって、Aさんの話聞いてると、彼の事を本気で好きでだから、でも、彼の事を思ったから別れを考えたんですよね？…でも、Aさん、疑われるような人いるんですか？」
A「いないわよ？今日も会いたいって言われたから、今日は約束があるって言ったの。そうしたら、男とか言わないよね？って…。だから、ムカついて電話を切って、そのまま無視してる。」
その時、
タイミングよくスマホが鳴った。
きっと紫耀からだ…
そう思って見てみると、
やっぱりそうだった。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年4月22日 17時
