Contract love ～偽装恋愛～ 20 (ページ2)

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4コール目ページ2

車を取りに帰り、
岸君をジムの駐車場まで迎えに行き、
慌ただしく現場入り。
今日はバラエティの収録。

スタンバイ中に、

岸「なんか今日は雰囲気違うね」

当然そう言われた。

A「そう？」

岸「うん。なんかさっぱり？いや、晴れ晴れ？違うか…。上手く言えないけど、いい感じっすよ。」

A「フフ、ありがとう。」

きっとママに会って話を聞いてもらったから。

岸「じゃあ行ってきます！見ててね？」

A「うん。いってらっしゃい。」

このやりとりが出来るもの後何回だろう…
本番中、
元気で明るい笑顔の岸君を見ながら、
少し1人泣きそうだった。

収録が終わり、
岸君を送り届けて家に帰って来た。
今日は比較的早い帰宅。

急いでお風呂に入り、
丁寧にメイクをして、
ノースリーブに、
ワイドパンツに、
ピンヒールを履いて、
部屋を出た。

夜でもまだまだ暑い。
蒸し蒸ししてる。
髪の毛、アップにしてくれば良かったなと
少し後悔しながら、
丁寧に巻いた髪の毛をかきあげ、
後ろへ流した。

電車に乗り、
久しぶりの駅で降りて、
久しぶりに歩く道。
何だか少し雰囲気が違って見えるのは、
久しぶりだからなのか、
緊張しているからなのか。

見上げた夜空には、
見慣れてしまった、
ボヤけた月が浮かんでいた。
満月なのかな。
輪郭が見えないから、
よく分からない。

そして、
目的の場所が近付くと、
緊張で胸が苦しくて、
歩く速度が落ちる。

コンビニに近付くと、
スマホを取り出し、
深く息を１つして、
コールした。
4コール目で出たのは、

紫耀「…はい」

掠れた声が耳に入ってきた。
一瞬にして、
また胸が高鳴る。

A「私…。」

紫耀「うん…どうした？」

A「今から会えないかな？」

自分からこんな言葉を言ったのって、
今まで無かったよね。
自分から会いたいなんて言って来なかった。
いつもいつも紫耀からだったよね。
今更だけど、
ごめんね紫耀。

紫耀「…今、から…？」

A「うん。実はもう近くに来てるの。ごめんね？急に。」

紫耀「ウッソ。えっ？なんで？どこ？」

A「近くのコンビニ。池田さんから聞いたの。この時間なら今日は家にいるはずだからって。だから、ごめん来ちゃった。」

昼間、
池田マネージャーに電話して、
今日の終わり時間を聞いていた。