笑って生きていける ページ47
ジムの地下駐車場に戻ると、
ちょうど戻ってきた2人を乗せ事務所まで。
稽古場でいつものように後方から
稽古をこなす2人を見ていた。
大丈夫。
今日は朝から一度も泣いてない。
この今の稽古が終われば、
夕方からはコンサート打ち合わせで、
この事務所の別の階に行き、
そこで紫耀に会う事になるけど、
上手くやれるはず。
でも時間が経つにつれ、
段々と不安になって来た。
でも、
岸「ねぇ、Aちゃん？」
A「ん？何？」
休憩になり、
岸君がやって来た。
岸「何かなぞなぞ出してくれない？いい感じのやつ！カモン！」
急になぞなぞを？
カモンと言って、
子供みたいな表情で
待ちに待っている岸君。
神宮寺「アハハ！Aさん、岸君になぞなぞ出してやってくんない？超簡単なヤツで。笑」
神宮寺君もやって来た。
岸「難しくても大丈夫なんだって！もうなぞなぞが分かったから！ほら！カモン！」
A「分かった。じゃあ、入口は１つ、出口が3つある物ってなーんだ？」
定番なヤツを出してみた。
岸「えっ？？ちょっと待ってね？考えるから！」
後ろを向き、
腕を組み、
上を見上げて真剣に考えている。
そんなに考える程の、
なぞなぞは出してないんだけどな…笑
神宮寺「岸君はマジでなぞなぞの意味が分かってないから。さっき、俺が、パンはパンでも食べられないパンは？って出したら何て答えたと思う？笑」
A「えっ？フライパンじゃなくて？」
神宮寺「そっ。答えはフライパンじゃん。でも、岸君は…めっちゃくちゃ硬い、ドイツのパン！フランスパンって答えさせようっていう引っかけでしょ？って自信満々で答えたの。マジでヤバイでしょ？笑」
A「アハハハ。何それー。なぞなぞじゃないじゃない。笑」
すると、
岸「分かった！分かった！いやー、簡単だったよ。」
神宮寺「じゃあ答えは？」
岸「アリの巣！いやー、マジ楽勝っしょ！」
岸君、本気でなぞなぞを知らないんだね。
私と神宮寺君が笑うもんだから、
違うと気付いたらしく、
神宮寺君に答えは洋服だよって、
なぞなぞの説明をしてもらっていた。
そんな姿を見ながら、
2人のお陰で、
笑えている事に気付き、
実はホッとしていた。
紫耀を失っても、
こうして、
笑って生きていけるって…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2020年2月2日 10時
