バイバイ ページ45
お願いだからそんな顔しないで…
心が折れそうになるのをグッと堪えながら、
A「…今までありがとう。一緒に過ごした日々は本当に幸せだった。嘘みたいに夢見たいな毎日だったよ。暗く沈んでた私の人生に光が差したのは、紫耀のお陰…。本当に感謝してる。…仕事中は顔合わせちゃうけど、今までも仕事中はお互い目も合わせなかったし、話す事もなかったから大丈夫だよね?これまで通りお願いします。…体に気をつけて。喉とか腰が痛くなったら、すぐに病院へ行ってね?眠れない時は、暖かいものを飲んでね?…無理だけはしないでね?忙しくてもちゃんと…身体休めるように…気に…かけてね?ちゃんと…ご飯も食べてね?」
これが最後。
そう思うと涙を我慢出来なかった。
本当に心から大好きだった人。
初めて愛してると思った人。
未来を夢見た人。
でも、さよなら…
紫耀「…こんなにも好きなのに…、こんなにも俺の事好きだって伝わってくるのに…。何でこんな事に…。俺は…ウッ…クソ…ウッ、ウッ、グスッ…」
目の前で泣き崩れる紫耀。
一瞬その髪に手を伸ばし掛けて、
やめた。
そして、
A「バイバイ…」
そう言って振り返らず、
エレベーターに乗った。
ドアが閉まると、
立ってられずにしゃがみ込んだ。
こんなに毎日ずっと泣き続けても、
まだこんなにも泣けるの…
A「フッ…、ウッ。グスッ…グスッ…はぁ…。」
1階に着き、
エレベーターから降りようとして、
そっか…
ある事を思い出した。
車も持って行かなきゃ。
岸君の送迎車を。
地下駐車場に降りて、
車に荷物を乗せ、
運転席に乗り込んだ。
隣に並んで停まる紫耀の車。
あの車に乗って出掛けた事もあったな。
そんな幸せだった事記憶をを思い出し、
車を見ただけでまた涙が溢れてくる。
こんな些細な事にも心が乱され、
これからどうやって過ごしていけばいいのか分からず、中々発進もできず、途方に暮れた。
636人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひろみ | 作成日時:2020年2月2日 10時