Contract love ～偽装恋愛～ 15 (ページ36)

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紫耀side らしいな… ページ36

俺が1番幸せにするって、
もう作り笑いなんてさせたくないって、
あんなに必死だったのに、
俺は、俺のせいで、
また泣きそうに笑う事をさせてしまっているんだな…
そう思ったら、
自分の不甲斐なさに苛立って、
言葉が止められなかった…
不安も、不満もぶつけた。
逆ギレもいいとこ。
本当に最低だよな…
そして、
裏切った事も話した。
もう、何か疲れたんだ…
こんなに好きなのに、
いつも上手くいかない。

きっと、
綾さんが言ってたように、
俺たち合わなかったんだね…

俺みたいな男には、
従順で素直な女の子が。
Aには、
歳上で、
包容力があって、
穏やかな、
そんな男の人が合うんだろうな…

Aに、
浮気？と聞かれた。
震える声で…
こんなに好きな人なのに、
こんなに残酷な事実を打ち明けて、
物凄く傷付けてしまった…
だから、
もう俺は一緒にいる資格はないんだよ…
いくら記憶がなかったとしても、
あの状況は紛れもなく浮気。
嘘はつかない。
俺の方が悪いのに、
泣いてしまってごめん…

Aが、許してくれる事はないだろう…
もう別れしか待っていないんだ。

こんな状況でもAらしいね…
イヤだとも、
怒る事も無く、
ただただ、
泣き続けていたA。

そんな姿を見て、
ごめんなさい…
何度も心の中で謝り続けた…

それでも、
こんな状況でも、
激しく感情をぶつけてこないんだね…

そんな所が好きだし、
寂しくもあり、
少しイヤでもあったんだ…

お互い何も言わずに、
時間だけが過ぎて行く。

俺からはサヨナラは言えない。
だって、
こんなにも愛してるんだよ。
だから言えないんだよ…
ごめんね？
最後までこんな男で…

今だって、
目の前で泣いているAを
抱き締めたいって、
俺の本能が叫んでる。
何度も手を伸ばしかけて、
必死に戻す。
胸が痛くて、
苦しいよ…

今触れるなんて、
そんな事してしまったら、
きっと拒否されて、
完全に終わってしまうだろうな…

ずるい俺は、
Aに別れの言葉を言われる前に、
触れたいと我慢出来なくなる前に
部屋を出て行った…