Contract love ～偽装恋愛～ 15 (ページ30)

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紫耀side 弱さページ30

全ては、
自分の弱さが招いた事だったんだ…

数日前。

岸君とジンが、
ジムでAが好きなあの歌を歌っている
タクさんに会ったって事があった。
いつものように俺はヤキモチが爆発した。
ガキみたいに拗ねて、
Aを困らせて…

優しいAは、
俺が嫌だって言えば、
聞き入れてくれると思ったんだ。
それくらいいいじゃん。
たかが歌ぐらいって思ったのも事実。

でも、本当に嫌だったんだ…
一度だけ写真で見たAの元カレが、
タクさんに雰囲気が似てたから…
俺とは全く違うタイプって事も気になってた。
本当はタクさんみたいな
男っぽくて少しヤンチャそうな感じが
タイプなんじゃないかって、
勝手に不安にもなってりして…

そして、きっとその元カレの影響で
歌も好きになったと思うから…
Aがよく口ずさんでいるのも、
本当はすごく嫌だったんだ。

でも、Aの好きな歌であって、
この歌に助けられて
東京で頑張って来たって言うのも聞いたから、
そんな大事な歌を、
奪うような感じがして、
複雑ではあったんだ…

でも、頭では分かってても、
気持ちが追いつかなくて…
俺色にいつになったら、
染まってくれるんだろうって、
少しだけ寂しくもあったから…

Aが話しがあると言う度に、
まだ決心がつかない俺は
話しを晒す事に必死だった。
というか、
逃げていた…

そんな事してる間に、
どんどん会話も出来なくなってしまって、
気まずくなって、
帰るのが怖くて、
無理に用事を作った。
海人のとこに泊めてもらったりした。
こんな事付き合ってから初めての事だった。

先輩を誘ったりもした。
先輩は沢山の方々を呼んでくれていて、
色んな人と沢山話して、
Aの事を忘れて、
時間も忘れて、
楽しんでいた。

そのうち、
1人の女の人が俺の隣にやって来た。
綾さんというその人は、
モデルさんで、
先輩の奥さんの後輩だって紹介された。

この出会いが、
俺とAの運命を変えてしまうなんて、
この時は思いもしなかったんだ…