Contract love ～偽装恋愛～ 15 (ページ24)

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陰ながらの応援ぐらいページ24

ジムにて。

岸君と神宮寺君を見ながら、
今日は私も体を動かす。
エアバイクを漕ぎ、
久しぶりに汗を流しながらも、
朝から、
いや昨日からずっと胸に抱えるモヤモヤに
頭の中は支配されていた。
話をしたいけれど、
話す時間もなく、
夜に話したい事があると言いたくても、
それすら言えなかったり…

A「…はぁ…」

体を動かしたから出る息が上がった訳ではなく、
これは溜め息。

すると、

トレーナー「こんにちは。キツイですか？無理しないでくださいね。」

そう話しかけられた。
昨日、タクに付いていたトレーナーさんだった。

A「あっ、いえ。大丈夫です。最近サボってたから、体動かさないと。」

トレーナー「昨日は、驚かれていましたね。なんでも、長年のファンだって聞きましたけど。」

A「はい。本当に驚きました。まさか会えるなんて、そんな事が私の人生に起こるなんて思ってもみなかったですから。ずっと、ずっと歌が好きで、もう今では私の一部のような感じなんです。」

でも、それでも口ずさむ事も、
聴くこともやめなきゃいけないかもしれない…

トレーナー「タクが聞いたら、また喜ぶだろな。昨日もあの後嬉しそうにしてましたもん。」

A「そうなんですね。なんだか不思議な感覚です。これからも聴き…、応援しています。よろしくお伝えください。」

陰ながら応援ぐらいはいいよね？

トレーナー「はい。近いうちにまた来るでしょうから、伝えておきますね。でも、また会えるといいですねー。では、頑張って下さい。」

出来れば、タクにはもう会わないことを祈ります。
とは、流石に言えない。
こんなファンっていないよね…
はぁ…

もう今日はこの辺でいいかな。
そう思って、
シャワーを浴びて、
いつものように2人が終わるのを待っていた。