Contract love ～偽装恋愛～ 15 (ページ34)

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紫耀side 記憶がないページ34

嘘だろ…？
嘘だろ…？
いや、…嘘だろ？
もうそれしか出てこない

でも待って？
この状況は一体何なんだ？
全く記憶がない。
いくら思い出そうとしても、
何の記憶もないんだ。

とにかくこの状況はヤバイ。
いや、ヤバイどころでは無い。
俺も綾さんも裸…
そう言う事したのか…？
いやでも記憶ないぞ？
というか、
この状況でもう既にアウトだよね…
どうしよう…

A…

ごめん…俺…

これ以上にない程に心臓が煩い。
パニックになりながら、
頭を抱えていると、

綾「…ん。おはようございます。」

目覚めた綾さんが俺を見上げていた。

紫耀「ウオッ！えっ、あっ、お、おはようございます。」

綾「昨日…の事覚えてる？」

紫耀「いやっ。あっ、すみません…実は、全く…。その…」

綾「そっかー。アハハ。だよね。笑」

紫耀「すみません…」

あれ？
話し方がタメ口になってる…
記憶がなかった時に、
そんなに仲良くなったのか？
そんな事を考えていたら、

綾「したよ。」

紫耀「えっ…？マジ…？」

綾「本当に覚えてないんだね。笑」

そう言ってベッドの下に落ちている服を拾おうと
上半身を起こそうとするから、
俺は慌てて背を向けた。

そして、俺も足元に落ちている下着や服を拾い着た。
ポケットに入れたままだった
スマホを恐る恐る見ると、

ごめんね。
先に寝ます。
おやすみなさい

と、AからLINEが来ていた。

涙が止まらない。
俺はなんて事をしてしまったんだ…

すると、
俺の背後で、

綾「ふーん。彼女から？でも、ひどいなぁ。そんなに泣くなんてさー。私も泣いちゃうからね？」

そう言って甘えるように、
俺の体に腕を回し、
抱き付いて来た。

Aとは違う甘えてくる仕草、
Aとは違う声、
Aとは違う香り、
Aとは違うぬくもり…
何もかもが違い過ぎるのに、
本当にこんな人を俺は…

紫耀「…すみません、俺、帰ります…」

綾「分かった。でも、待って？ねぇ連絡先教えてよ。これは交換条件だからね？この事黙ってるから、教えて。それぐらいいいでしょ？」

もう何も考えられない…
一刻も早くここから立ち去りたい…
言われるまま
連絡先の交換をして、
俺は逃げるように部屋を出た。