まだ話せていない ページ26
それから数日が経つが、
実はまだ話せていない…
タクの曲についてというか、
普通の会話が出来ないでいた…
休みだからと、
紫耀が名古屋に帰ってたり、
私の帰りが遅かったり、
帰るなり抱かれたり…
先輩と飲みに行くと言って帰りが遅くなったり、
海人君のお家に泊まりに行ったり…
昨日も帰って来なかった…
とにかくここ数日、
明らかに避けられていた…
A「はぁ…」
中村さん「どうしたの？そんな溜め息なんてついて。笑」
舞台の稽古中、
事務作業の部屋で、
中村さんと斉藤さんと打ち合わせ後、
休憩をしていた。
斉藤「もしかしてまだ話せてないの？」
A「はい…」
昨日、
あれからちゃんと彼と話せた？
と聞かれ、
まだ話してませんと答えていたから、
斉藤さんは分かっていた。
中村さん「何か問題発生みたいね？何があったの？」
A「それが…」
中村さんにも簡単に話をした。
中村「フフフ。そんな事が。でもそのタクって人に会っただけで？でも、まぁそうか。そうなるでしょうね彼なら。笑」
斉藤「でも、話しがあると何度か言ってるんだから、少しぐらい話しを聞いてあげてもいいのにね。そんなに避けてばかりでさ。」
A「もうずっと…明らかに避けられてるんです。私が何か別のことを話そうとしても逃げるんです。ここ数日そんな感じで…。何だか一緒にいる意味が分からないような状況です…」
中村「いやいや。彼には無理よ。だって、Aちゃんの事が好きすぎるんだから。だってもの凄いヤキモチ妬きなんだよ？」
A「でも、何でもない話さえもできないって言う今の状況は流石に…」
斉藤「うん。いくらなんでも流石にそれはないな。もういっその事、ブチ切れちゃえば？」
そこまでしなきゃいけないの？
中村「まぁそれもアリかもね。付き合っているのに、この状況は私も流石におかしいと思うわ。それにしても、一体何にそんなにビビってるのかしら？まさか、タクに取られるとか思ってるのかしら？」
斉藤「でしょうね。あと、自分の知らないAさんを知るのが嫌なんじゃない？昔の彼氏の事とか。きっと彼はその事も気付いてるはずだよ。」
A「まさか。」
中村「そのまさかよきっと。」
そうなのかな…？
そんな事で、
こんなにも避けられているのかな？
何か分からないけれど、
何かが引っかかっていた…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2020年2月2日 10時
