そんな事 ページ19
しばらく紫耀を抱き締めたままだった。
その時間の長さが、
彼の不安を表しているようで、
何だか切なかった。
こんなにも、
不安だったの?
ごめんね、
気付いてあげれなくて…
紫耀「ありがとう。元気出たー。アハ。お っ ぱ い、超柔らかいし。笑」
そう言って、
そっと離れた。
でも、
その表情は、
やっぱりまだ何か無理をしてる感じがした。
A「ううん…」
紫耀「何?どうかしたの?笑」
A「ううん、どうもしてないけど…」
紫耀「けど?笑」
A「無理しないで?私には弱さも不安も隠さないでいいから。」
私達は、
もうそんな関係になれてるでしょ?
仕事の事は、
マネージャーをやり始めて、
今までよりは少しだけ理解出来るようになったから。
紫耀「うん…。ありがとう。じゃあさ…」
そう言って黙った紫耀。
下を向いて、
何か考えてる。
A「うん。」
その空気感に、
少しだけ不安になりながら、
紫耀からの言葉を待った。
演技の事かな?
もしかして、
グループの事とか?
一体、何にそんなに悩んでたんだろう…
1人で色々と考えていると、
紫耀「……離れても俺の事忘れないで欲しい。」
えっ?
どう言う事?
まさかの言葉に頭が真っ白になってしまった…
そして、気がつくと、
溢れ出ていた涙。
離れなきゃいけないの?
私達別れるの?
事務所の指示なの?
そんなの嫌だよ。
A「………嫌だよぉ…」
紫耀「えっ嫌なの?っていうか、な、なんで泣いてるの?えっ?どうしたの?ってか、嫌なの?」
紫耀は、
私の涙にあたふたしながら、
ティッシュで涙を拭いてくれるから、
そんな優しさにも泣けてくる。
A「無理だよ。別れたくないよ…。離れるなんて嫌。」
紫耀「ちょっと待って?えっ?別れたくないって?何で?えっ?なんで離れる?えっ?ちょっと落ち着いて?」
泣き続ける私の両肩に手を置いて、
向き合うように向かせられると、
少しだけ大きな声で、
しっかりと、
紫耀「別れないから!!」
別れない?
本当に?
よかった…
A「良かったー……。えっ?でも、さっき…忘れないでって…。あれはどういう事なの?」
紫耀「えー、まぁ、それはまた俺のやきもち…。あと少しで、舞台の稽古が始まるでしょ?だから、ジンとこれから毎日一緒じゃん。それで、俺の事忘れないで欲しいなって思ったの。」
そんな事?
A「何だー…。良かった…。」
涙はもう引っ込んでいた。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時