甘えん坊 ページ43
美容室を後にし、
マンションまでの道のりを歩く。
もう結構遅い時間だから、
歩道を歩く人もまばら。
だから、ゆっくりと歩ける。
頬に当たる風が冷たくて、寒いな。
もう今年も終わる頃だから当たり前なんだけど、
今日は一段と冷えている。
雪でも降りそう。
でも、今日は晴れてたから雪はないかな。
初雪は、紫耀と一緒に見れたらいいな…
マンションに着き、
お風呂に入って、
冷えた体を温めた。
お風呂から上がっても、
まだ帰って来ていない…。
もうとっくに日付けが変わっていた。
A「遅くなるって言ってたけど、何時になるんだろ…。まっ、そんな日もあるよね？よし！明日も仕事だし、寝ろうっと。」
無駄に大きい独り言を言いながら、
寝る準備をして寝室へ。
1人では広過ぎるベッドで、
中々寝付けなかった。
ようやく眠りについた頃、
体が重くて目が覚めた。
A「ん…、重…い…」
すると、
私の体に巻き付く腕と脚…
隣を見ると、
スヤスヤと眠る紫耀がいた。
帰って来てたんだ…
そっと、巻き付いていた紫耀を剥ぎ取り、
A「…おかえりなさい。お疲れ様。」
そう言って、紫耀の頭の下に腕を入れ、
胸元に抱え込むように抱き締めた。
すると、
紫耀「…んー…。…A。」
そう言いながら、擦り寄って来た。
寝言でも私の名前を呼んでくれる。
嬉しかった。
甘えん坊だな。笑
いいよ？おいで？
そんな甘えん坊な紫耀の髪を撫でながら、
私もまた眠りについた。
次に目が覚めると、
私の髪を掬って、
指にクルクル絡めている紫耀がいた。
紫耀「おはよ。笑」
カッコイイ…
A「おはよう。おかえりなさい。」
そう言って、思いっきり抱き着いた。
胸いっぱいに、大好きな紫耀の匂いを吸い込む。
紫耀「何？寂しかったの？」
A「うん。寂しかった…」
紫耀「なにー？めっちゃ可愛い。」
A「フフ。笑」
いつもの朝食の時間。
紫耀「髪切ったんだ？色も変えたんだね？昨日の仕事終わりに行ったの？」
A「うんそうなの。どうかな？」
紫耀「ヤバイ。」
A「えっ？変？」
紫耀「違う！綺麗過ぎるの！あーヤバイ！心配！」
A「フフフ。ありがとう。笑」
紫耀「今日の服、俺選ぶからね？」
また始まった。笑
A「はい、はい。お願いします。笑」
予想通り、
やっぱり全身見事なブラックコーデでの出勤となった。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2019年3月12日 16時
