着信相手 ページ27
髪から順番に洗って、
身体もキレイに洗ってあげた。
途中、私の身体を触ろうとイタズラしてくる。
そんな手をどうにか避けながら、
全身キレイに洗ってあげた。
湯船に浸かる紫耀と、
浴槽の縁に座って話す。
紫耀「ありがとう。笑」
A「ううん。明日も頑張ってね？」
紫耀「ねぇ、Aは、何でこんなに優しいの？」
A「紫耀の事が好きだから。」
そんなの決まってるじゃない。
紫耀「うっ…。不意打ちはやめてよー。胸が苦しい。好きの容量が、もうキャパオーバーだから。」
A「大袈裟なんだから。笑」
紫耀「大袈裟じゃないよ？」
A「そうなの？じゃあ、ありがとう。笑」
紫耀「俺の方こそありがとう。笑」
その後、入れ替わるように私もお風呂へ入り、
寝る準備まで済ませて、リビングへ。
ソファーで携帯を手に、
横になったまま寝てしまっている紫耀の姿があった。
そっとその体に毛布を掛ける。
毎日本当に大変だもんね。
それでも、絶対にキツイとは言わない紫耀。
同じ事の繰り返しなのに、
いつも、それが初舞台かのように、
全力で舞台に上がっている事、
本当に凄いと思うし、
そんな姿を尊敬している。
それでも、今日はすごく疲れてるんだろうなって、
思ったの。
だから、洗ってあげたかった。
少しでも体力を温存して欲しくて。
何か私が出来ることがあればなって思って。
ソファーの下に座り、
疲れ果てた身体で眠っている紫耀を、
息を潜めて見ていた。
キレイな寝顔だな…
少し痩せたよね？
ご飯食べれないのかな…
キツくなると食べる時間よりも、
寝たいって言ってたもんね…
大丈夫かな？
目にかかる前髪をそっと退かす。
前髪伸びたよね…
本人には言わないけど、
私は紫耀のキレイな目が大好きなの。
だから、目が見えるように、
本当はおでこを出す
ヘアスタイルが好きなんだけどね。
その時、
静かな部屋に響く。
携帯のバイブ音と同時に
紫耀の手にある携帯の画面が明るくなった。
あっ、見えちゃうと思って、
直ぐに目を逸らしたけど、
見えてしまったその表示…
えっ？
それは、確かに女の子の名前だった…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2019年3月12日 16時
