呼び名 ページ8
「失礼だったら、すみません。あの、何でこんなバカげた話しを引き受けたんですか？」
「そうですね…。バカげた話し…。そうだと思います私も。でも…、私にはそうじゃなかった…。そういう事にしてもらってもいいでしょうか？」
「うん？よく分かりません。笑」
「そうですね…。それでいいと思います。分からないままでいて下さい。」
「ん？また分かんない…」
「フフフ。そう、それでいいんです。笑」
「よく分かんないけど、分かりました。」
いつも、仕事で大人な男性を相手にしていたから、こんな反応が新鮮に感じる。
「なんて呼んだらいいですか？」
今度は私から聞いた。
「別になんでもいいです。」
…そうだよね？私達は恋人同士な訳じゃない。
彼との境界線を感じた瞬間だった。
あまり踏み込むのはいやなのかも…
呼び名も、馴れ馴れしい感じは避けた方が良さそうね。
でも、こちらが引けば…
「…じゃあ、平野君って呼びます。」
「えっ？平野君？」
ほら。それじゃ嫌だって顔してる。
でも、なんでもいいって言ったのはあなたよ？
「はい。平野君で。私は…呼ばなくてもいいです」
「えっ？何で？あっ、何でですか？」
「敬語入りませんよ？」
「えっ？あっ、はい。というか、平野君だし、呼ばなくてもいいって…。何で？えっ？怒ってるの？」
焦ってる。笑
「怒ってないですよ？笑」
「えっ？笑った…。わっかんない！」
「アハハハ！少し意地悪しちゃった。笑」
「意地悪？」
「はい。なんでもいいとか言うから…。しかも、別に…だし。」
「えっ？ごめん！そんなつもりじゃ…」
一々反応が面白い。
「じゃあ、なんて呼べばいいの？」
「えっ？…じゃあ、普通に紫耀で。」
「はい。」
「…俺も、Aって呼んでもいいの？」
「はい。」
「はい。は嫌だな。」
「フフ。うん。」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
