後悔… ページ38
夜にまた来るねと言って帰って行った彼。
何か言いたそうに、名残惜しそうに帰って行った彼。
まだ始まったばかりのこの生活。
こんな風に、まるで恋人のように過ごしていくの？
こんな後ろめたい気持ちで？
いくら、お金の為といっても、やっぱりこんな仕事引き受けるべきじゃなかった…
後悔…
あなたを好きになっていく自分に気付いてからは、後悔だけが襲う…
でも、3年間は側にいれる…
その後は…
結局、私はまた間違ったんだろうな…
はぁ…
仕事に行かなきゃ。
マンションを出た。
太陽…
今日の私にも眩し過ぎるよ…
サングラスを掛けて、駅に向かった。
社員証を通し事務所の中へ。
朝礼の時に、昨日の歓迎会のお礼を言い、それぞれ自分の仕事へ。
私は、昨日と同様にプレゼントの仕分けに、ファンレターの仕分けも加わった。
1人黙々とこなす。
グループ名、名前、大体分かってきたから、スピードも上がってきた。
「楽しくなってきたぞ…」
そう独り言を言いながら、こなしていく。
午前中は、あっという間に終わり、
中村さんと一緒にお昼に行くことに。
頼んだパスタを食べながら、
「どう？意外と大変でしょ？」
「いえいえ。意外と楽しくなって来たなって思いながらしてました。」
「そう？じゃあ良かった。午後からは私もそっちに入るからね。」
「そうなんですね。嬉しい。正直なところ、午後からは睡魔との戦いだなって思ってたんです。笑」
「だよね？単調な仕事だしねー。ねぇ、前の仕事もOLとか？」
「いえ。初めてです。私、こんな風にお財布持って、ランチに出るとか夢だったんです。笑」
「随分と小さな夢だね。しかも、もう叶っちゃったね。笑」
「そうですね。笑」
午後からは中村さんと仕事をこなして、定時で上がった。
皆さんとエレベーターに乗る為、待っていると、
「Aさん！ちょっといいですか？」
斉藤主任だ。
走ってやって来て、呼び止められた。
「はい。あっじゃあ、皆さんお疲れ様でした。」
そう言って、皆さんを見送り、主任に着いて行く。
会議室に連れてこられた。
「すみませんね。」
「いえ。」
何か話かな？
そう思っていると、目の前に立つ主任。
「ちょっとすみません。」
そう言って、私の両手の袖をめくって、手首を。
あっ、昨日の跡が…
赤く残っている。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
