エスパー主任 ページ23
よく見てるな…
「今は、よく見てるな…って思ってますね？」
エスパーなの？
「えっ？」
「アハハハ！主任ね、人の仕草とか表情を読む癖があるのよ！」
「そんなわけでは…」
中村さんの気迫に、主任は気まずそう。笑
楽しそうな部署で良かった。
御手洗から席へ戻ろうと廊下を歩いていると、正面から主任が。
「少しいいですか？」
そう言って、非常階段へ。
「そんなに警戒しないで下さい。」
「はい。すみません…」
「実は、私はあなたの置かれている事情を社長から聞いています。だから、何かあれば私に言ってください。遠慮なく、休みたいとか、そういう事もです。まず優先すべきは、彼ですから。いいですね？」
「…そうなんですね。知っててくださる方がいて、少し気持ちが楽になりました。ありがとうございます。でも、働かせて頂く以上、中途半端な気持ちで仕事はしませんから。」
「聞いていた通りの人だ。それにしても、社長も言っていましたが、なぜわざわざ仕事をしたいんですか？」
「だって、仕事しないで、与えられるだけで、待つだけで…、そんな、生活は嫌なんです。」
「そうなんですね…。それと、もう1つ話しておきます。実は、私は数年前までマネージャー業務をしていました。だから、あなたのような女性を沢山見てきました。でも、あなたみたいな人は初めてです。これから、大変でしょうが、頑張って下さい。何か困ったことがあれば、相談に乗りますから。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
席に戻り、皆さんと世間話をしながら、楽しい時間を過ごせた。
お開きになり、家に帰る。
マンション下でタクシーを降りた。
エレベーターを降り、絨毯がひかれた廊下を歩く。
カードキーをかざし、玄関ドアを開けると、サンダルがある…。
これは、確かに昨日見たサンダル…
来てるのかな？
カードキー、渡したしな…
リビングのドアを開けると、ソファーに横になる彼が居た。
私の毛布にしっかり包まって寝ている。
「…。」
お風呂に入ってこようかな…。
お風呂から上がって、リビングへ様子を見に行くが、まだ寝てる…。
寝かせておいた方がいいのかな？
それとも、起こして、自分の部屋で寝てもらった方がいいのかな…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
