好きじゃないかも… ページ16
玄関に行き、ドアを開ける。
髪の毛がグチャグチャになった平野君が中に入って来た。
「ど、どうしたの？」
「やっぱり、このままだと気になって絶対に寝れない！聞きたいことあるし、言いたいことがある！！」
一気にそう言うと、
「お邪魔します！」
そう言って、リビングに入って行った。
「寒っ！」
窓を開けたままのリビングで、寒いと言っている。
確かに高層だから、強い風が入って来るし、寒いよね。
「ごめんね？寒いよね？閉めるね。」
窓を閉めて、毛布を畳む。
「もしかして、毛布に包まってベランダに？」
「うん。」
「へぇー。このマンションからの夜景綺麗だもんね。あっ、星とかも好きなの？意外とロマンチックなんやねー。」
私の事なんて興味ないだろうに…
新たな一面発見とか言ってる…
「どうだろ…好きじゃないかも…。」
「……えっ？うそ…好きじゃないの？」
変わった女だし、可愛げのない女だと思ったでしょうね…
「うん。そんな風に思って夜景も、夜空も見てないから。」
「そっか…。」
「うん。私の事はいいから。どうしたの？聞きたいことと、言いたいことがあるんでしょ？」
「うん。そうなんだけど…」
ソファーに座って、黙ったままだ。
「ねぇ、…髪どうしたの？」
どうしても、半乾きのボサボサ頭が気になってしまう。
「えっ？あー、シャワー浴びて、グシャグシャってしたから。」
実際にグシャグシャってして見せてくれた。
なるほど。それで、こんな頭に…
洗面所に行き、ドライヤーを持って来た。
「下に座って？」
「えっ？いいの？」
「風邪ひいちゃうよ？この部屋寒いし…」
ソファーに座った。
足の間に入ってもらう訳には行かないから、正座して、下に座った平野君の髪を乾かす。
サラサラだね。
ドライヤーをしていると、頭がコクっコクっとなりだした。
なんだ眠いんじゃん…。笑
ドライヤーを終えても、気付かないぐらい寝てしまっていた。
「…ねぇ、…起きて？」
後ろから、わざと耳元で囁いた。
「えっ？ん？えっ！！！」
ビックリして、耳を押さえながら、バッと私の方に振り向いた。
「アハハハ！寝てたよ。寝れないんじゃなかったっけ？」
「いや、これは髪の毛を触られたから眠くなっただけやし…」
「そう。笑」
「もう、眠くないし！」
「無理しなくて、帰って寝ればいいのに。」
「いや、無理！」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
