キミガシ…ヒエェン…【キミガシネ】 (ページ14)

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ー33ー悩むなら、一人より。ページ14

リオside

寂しげな顔をするヒナコちゃんを見てたら

なんだか悲しくなって、つい口を開いた。

『…ね、ヒナコちゃん。悩んでんならぶっちゃけてみない？解決しなくても、多少なりとも楽になるかもっしょ？』

ヒナコ｢…リオ先輩｣

『あ、あたしバカだから難しい話は分かんないけどさ！』

でも、とグロスを塗りながら続ける。

『悩むなら、一人より二人の方がよくない？ほら、三人寄ればもんじゃ焼きって言うじゃん！』

ヒナコ｢…！｣

『頼りないかもしんないけど、頼ってほしーな』

ヒナコ｢……リオ先輩…｣

ヒナコ｢それを言うなら、三人寄れば文殊の知恵ね｣

『そーだっけ！？』

ヒナコ｢そうよ。…ふふっ、何よもんじゃ焼きって｣

(あ、笑ってくれた…)

ヒナコ｢そんなの初めて聞いたわよ。ふふ｣

ヒナコちゃんはくすくすと笑う。

初めてヒナコちゃんの心から笑った顔を見た気がする。

ヒナコ｢…ねぇ、先輩｣

『なぁに？』

ヒナコちゃんは何かを決した様に、こう聞いてきた。

ヒナコ｢……もし、私が誘拐犯側と関わりのある人物だとしたら…どうする？｣

メイクを施す手が無意識に止まり、ヒナコちゃんは俯いた。

この質問をしてくるって事は、きっと。

あたしに少なからず信頼を寄せてくれているんだろう。

じゃないとこんな事聞かない。その気持ちに応えなきゃ。

なら、あたしが言うべきは＿＿＿＿＿

『…何もしない、かな』

ヒナコ｢……えっ？｣

豆鉄砲を喰らったみたいな顔をして顔を上げる。

ヘアブラシを取り出して、

ヒナコちゃんの髪の毛をブラシで梳かしながらこう続けた。

『ヒナコちゃんが誘拐犯側の人物だったとして、軽蔑する訳でもないし、かと言って責めたりもしない。いつもみたいに接する』

ヒナコ｢ど…どうして？私は、あなた達を危険な目に遭わそうとした人達と同じなのよ？｣

『んー…まあそう言われりゃそうなるけど』

髪を梳いていた手を止めて、少し考え込む。

『実際、あたし達に危害を加えた訳でもないし…』

『…それに、大切な友達だもん。責められないよ』

ヒナコ｢……！！｣

ヒナコちゃんは驚いた様に目を見開かせた。

『きっとみんなも、同じ事言うんじゃないかな』

ヒナコ｢…｣

『…てか、もしもの話じゃん！そんな顔しないで、せっかくメイクしたんだし』

『ほら、鏡見て？めちゃくちゃかわいいよ』

ヒナコちゃんは鏡を見つめた後、

ヒナコ｢…ありがと｣

色んな意味を込めながら、そう呟いた。