39話 ページ44
「うわぁ何々!?瓦礫が急に動き出したよ!?」
「きっと巨人が怒ったんだ!ひえぇ、ママ助けてぇぇ!!」
そう叫ぶや否、その場から逃げ出す彼らは、相当恐怖に駆られたようだ。
「…やっと追い付いたのに。」
そんな私の呟きが聞こえたのか、ケータは「二人とも行っちゃったね…。」と苦笑いを溢している。まぁ、そうなる理由も分かるが。
取り残された私達の間に微妙な雰囲気が流れていると、ジバニャンの表情がふと強ばる。それに気づいた私は、彼に話し掛けた。
「ジバニャンどうしたの、そんな怖い顔して。」
「…今、オレっち達以外の妖怪のニオイがしたニャン!!」
自然と私達は、動いている瓦礫に目線を向ける。
「どうやら、動いている瓦礫は妖怪の仕業に間違いないようですね…。」
「ケータ、ここから先は更に注意して進もうか。」
「うん、そうだね。…それとA姉、俺がA姉を守るから安心してね。」
「!!…うん。」
なかなか頼もしいな。…そう言ってもらえて嬉しい、なんて言葉は口には出さないが。
_
__
___
「しっかし、妖怪って襲ってくるのもいるんだね。てっきりジバニャンやウィスパーみたいに善良なやつしかいないかと思ってた。」
私が一言そう言えば、なんか妖怪二人組がバッとこちらを向いてきた。
「善良ってAちゃん…!」
「オレっち、そんなに良い妖怪ニャンか!?」
「お、おう…。」
まさかこんなに食いついてくるとは思わなかった。二人とも、目が輝いてらっしゃる。
そんな二人に押され気味な私の腕を、ケータはぐいっと引いた。一体何事かと視線を彼に移すと、どこか物欲しげな目で私に話しかける。
「A姉…今思えば、俺ってかなり良い子だよね?A姉の為にいろいろやってるし…。」
「はぁ?…まぁ、そうかもしれないが。」
いきなりなんだよ、私に恩を売り付けるつもりか…?
そう思った私に、急に抱きつくケータ。
「っ!おい、いきなり何だよ!?」
「A姉…。俺、ご褒美が欲しいなあ?」
単純に言えば驚いた。
勿論、急に抱きつかれたと思えばご褒美をせがまれた事にも驚いたが。ただ、それ以上にそう言った、彼の妖艶な笑みに驚きを隠せない。それは本当に小学生なのかを疑うレベルに艶やかであったのだ。
それを目前にたじたじになった私だが、それは後でと後回しにし、再び進むことに集中することにした。
___
「Aちゃん、ケータくん。」
「囲まれてるニャン」
「「えっ」」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
177人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月15日 23時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - タイプの小説! (2019年10月13日 20時) (レス) id: 327fdb2cac (このIDを非表示/違反報告)
ユリ - ヤンデレっていいですよね!この作品は神です! (2019年8月18日 13時) (レス) id: 8b71951d75 (このIDを非表示/違反報告)
.あや丸(プロフ) - アインツバルさん» うわあああそんなことを言っていただけるなんて嬉しすぎます(´;ω;`)コメントありがとうございます!今後もそう言って頂けるようなお話を更新していきます! (2019年4月8日 18時) (レス) id: 97c0cbad5c (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 見る前→おぉっと冒頭から神作品の匂いが漂ってくるぜぇ!?楽しみ!!! 見た後→やっぱりな。(予想通り神) (2019年4月7日 8時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あや丸* | 作成日時:2017年1月20日 16時