35話 ページ40
「実は___。」
そう冒頭に置いて、私は先程悩んでいたことについて打ち明ける。
"何か悪い予感がする"こと、手掛かりが見つかるにつれて恐怖が募っていっていること、そして最後に、その巨人と対峙した時、ケータやウィスパー、ジバニャンは助かるのだろうかと、自分は役にたつのかと不安に思っていること…。
そう続けて話せば、周りから息を飲むような音が聞こえてきた。おそらくは、どう声を掛けていいのかが分からないのだろう。
そんな白けたような雰囲気に嫌気が差し、私が何か口に出そうとした時、意外にもジバニャンが先に口を開いた。
「A、おれっち達のこと、心配してくれてるニャン…?」
「え、あ、うん。当たり前じゃない。…ってちょ、皆泣かないでよ!?」
あれ、なんか皆泣き出したんですけど。一体何故…。
「Aちゃんは優しすぎでうぃす〜!!」
「A姉が居てくれるだけで俺は幸せなのに〜!!」
うわーんと声を合わせる二人に若干引きながらも、自分はいい人達に恵まれてるんだなって思った。
だって今まで、私の為に泣いてくれた人なんかに出会ったことなんてなかった。
だけど今、そんな人達が目の前に3人もいる。
その事実に心が軽くなり、先程から抱えていた悩みとなるものが、一瞬にして無くなるのを感じた。
この3人を、私は信じる。
心の中でそう思えば、涙目のケータに抱きつかれる。そして、息がかかりそうなほどの距離で話し出す彼と、私の視線が交わる。
…私から見て、自然と上目遣いになるのだが。
「A姉、さっきも言ったかもしれないけどさ、A姉の事は俺が守るから!だからね、絶対に俺の側から離れないで。俺だけを見ていて?」
ね?と微笑む彼に引き込まれるも、またもや泣き出したので、私は彼の涙を自身の指で拭ってやる。
すると顔を真っ赤にするので、釣られて私の顔も熱っぽくなるのを感じた。
その上で、視線を合わせるのに恥ずかしくなり、私はケータを抱き締めた。…といっても、無理矢理という形で自身の体へと引き込んだだけだが。
照れ隠しに目線を空に合わす私と、声にならない叫びをあげるケータ。それを遠い目で見るジバニャンとウィスパー。
こんな感じだが、本当に楽しいと感じられる。きっとその感情は、私達全員が揃わないと感じることのできない賜物だと思う。
それに感謝をしながらも、ケータを抱き締めた腕を離した。
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七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月15日 23時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
ころころ - タイプの小説! (2019年10月13日 20時) (レス) id: 327fdb2cac (このIDを非表示/違反報告)
ユリ - ヤンデレっていいですよね!この作品は神です! (2019年8月18日 13時) (レス) id: 8b71951d75 (このIDを非表示/違反報告)
.あや丸(プロフ) - アインツバルさん» うわあああそんなことを言っていただけるなんて嬉しすぎます(´;ω;`)コメントありがとうございます!今後もそう言って頂けるようなお話を更新していきます! (2019年4月8日 18時) (レス) id: 97c0cbad5c (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 見る前→おぉっと冒頭から神作品の匂いが漂ってくるぜぇ!?楽しみ!!! 見た後→やっぱりな。(予想通り神) (2019年4月7日 8時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あや丸* | 作成日時:2017年1月20日 16時