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ぐすん、と私の鼻をすする音だけがそこに響く。
幸い、ここを使う人はあまりいない為、
ほかの人に泣き顔を見られることは無さそうだ。
すると、先程まで斜め前にいた彼が私の前に立ったのが、気配でわかった。
そして彼は、私の頭に触れた。
「っ.......ぇ、ちょっ.....」
彼の大きな手が、私の頭を包み込む。
男性経験が少なすぎるせいか、彼の心理が読めない。
最近の若者は、こういうことをさらっとしてしまうのか。
はたまた、彼の地元と私の地元では男性の積極性が違うのか。
変なことばかりが、頭の中を駆け巡る。
「私のこと...嫌いでしょっ、...」
藍沢「勝手に決めつけるな。大切な仲間だ。」
そう言うと、今度は私の頭を自分の胸へと引き寄せる。
彼のスクラブに、涙が付いていくしまいそうだ。
「やめて、濡れちゃうから...」
藍沢「いい。泣きたいだけ泣け。」
“それが、石川の成長に繋がるなら。”
頭に回っていない方の手で、私の手を掴む。
この手に、幾度となく魅せられた。
彼の胸から頭を離し、見上げて目を合わせる。
「もう大丈夫...ありがとう、藍沢先生。」
藍沢「あぁ。...俺も悪かった。」
「ううん、...早く藍沢先生みたいになれるように頑張る。」
藍沢「俺も。一日でも早く、名医になる。」
「お互い頑張ろうね。」
初めて、彼を異性として意識した瞬間。
── 愛情の裏返し end
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あいか(プロフ) - 続きが少し気になるので、更新頑張ってください!!! (2017年9月6日 7時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ひなたさん» こんばんは!大正解です\(^o^)/NEWS好きなのでこの曲にしました♪これからも宜しくお願いします! (2017年9月4日 22時) (レス) id: b808059075 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - こんばんは!こ、これは! UR notaloneじゃないですか!> <なんだか気分が嬉しい気持ちです!!お話も楽しませてもらっています!頑張ってください!! (2017年9月4日 21時) (レス) id: be1d3ffffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつ | 作成日時:2017年9月4日 20時