そして、彼女は狂う。 ページ32
菫Side
アイツが行ってからも、未だにあの声が鳴り響く。
『天人にも人間にも、どの種族にも属さない者が……』
『弱くなったな、鬼姫。』
ふざけないで。私は、もう化け物なんかじゃない。
護りたい人だって、沢山増えた。あの人に値しないくらいの量が。
………それでも。
あの人がまだ脳裏でチラついているのは、何故だろうか。
……そうだ。あの人のせいだ。
『菫。今日から貴方は菫という女の子です!』
『全く貴方はまた無茶して……とんだじゃじゃ馬だ』
『菫、貴方の兄弟子達を……頼みますよ。』
あんな……心優しい人に……出逢ったから……
「オイ、いたぞ!!」
「あの女が定々様を裏切ったのか!!」
「しかし、あの女は警察庁の幹部では?!」
「バカ、定々様と幹部の女、どっちが大事なんだお前は!!!」
そうだ。朧の言う通り。
私は、誰にも属さない化け物のままでよかったんだ。
誰にも救われずに、孤独に生きていく。
こんな醜くて残酷なこの世界に、護るべきモノなんて一つも無かった事。今更気づいちゃったよ。
もう何にも……思い残す事も無いよね。こうなると。
ｸﾞｼｬｯ!!ﾄﾞｶｯ､ﾊﾞｷｯ!!!
「ひっ、ひぃいいいっ!!!何者だ、この女!!?」
「人間じゃねーよ、と、とにかく上に報告ッ…!!」
ﾊﾞｧﾝｯ!!!
血。血。血。どこを見ても、血の海だ。
ベトベトしてて、鉄臭い。
…昔と、同じじゃないか。
「お…ぼろ……クン……っフフ……ありがとうね……」
視界がぐらつきながらも、訳がわからずに出てくる笑いを零す。そして私は刀を引きずりながら朧がいる方向へとあるき出した。
「待っててね、銀時。
．．．アレ?ギントキって、誰だっけ?
まあ、いいか……」
もう関係ないんだから。
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勇者の人(プロフ) - マリンさん» マリン様、コメントありがとうございます!!応援もとても嬉しいです(*^^)それから、マリン様の作品を失礼ながらも拝見して頂いたのですが、面白かったです!!(もしできたら、続き書いて頂けませんかね?笑)まあそれはそうと、これからもこんな作品をよろしくお願いします! (2019年9月22日 22時) (
レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - コメント失礼します 一国傾城篇お疲れ様でした! 毎話楽しみにしております これからも無理しない範囲で頑張ってください 応援しています!! (2019年9月22日 17時) (レス) id: c00051a8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：勇者の人 | 作成日時：2019年9月9日 11時
