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＿＿＿＿＿＿
もう一度
思い出してみる
翔北で働いていた時のことを
毎日が刺激的で
やたら突っかかって来るフェロー
やたら馴れ馴れしいフェロー
やたらメモをまくるフェロー
やたら無愛想なフェロー
まだ未熟な研修医である私を
同期として迎え入れてくれた頼りない先輩達だった
何百人もしかしたら何万人の命を救ったのかもしれない
それと同時に数えきれないほどの命を救えなくて悔しかった
嬉しい時も辛い時もいつも一緒だった
「優輔がな、病気なんだ」
『なんで、それを私に？』
「お前可愛がってくれたろ
アイツまだ小さかったけどちゃんと覚えてるんだ
お前のこと」
すっかり父親の目をした恩師は
私に大きな試練を残して千葉へ帰っていった
「もう良いんだよ一人で抱え込まないで
今のアイツらならお前の痛み苦しみ全部背負える
だからA戻ってこい
患者のためじゃない、お前のために」
甘えて良いのだろうか
たった一人大事な命を守りきれなかった私が
そんな私が
一人だけ幸せになるなんてそんな事許されるのだろうか
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：アラレ | 作成日時：2022年9月2日 1時
