code blue - music box - (ページ11)

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Shi side

「翔北救命センターの白石です
　誰かいますか？」

予想以上に酷い様子に驚きながらも
中に入っていけば

『めぐちゃん‥』

「ちょっとA？！
　なんでそんな姿‥血がっ！」

『お医者さんがそんなに慌てたら不安になるよ、笑』

笑顔を見せながらも
おでこと洋服の中からは血が流れていて

「緋山先生、こっち来れる？」

「わかった、フェローに任せて行く」

『ねえ、意地悪しないでよ』

「何が？」

『美帆ちゃん来たら怒られる‥』

「じゃあさっさとそこから退いて
　自分の手当てして」

どうも私はこの子に弱いらしく
叱るのはいつも冴島さんや緋山先生が担当だった

『少年が挟まってるって聞いたら居ても立っても居られなかったの』

「‥緋山先生が来たら絶対場所代わってよ」

『ははっ、もう分かったからそんな怖い顔やめてよ』

ただ頭部を固定しながら呼吸音を聞いていたAを前に
挿管の準備を進めていく

『悠斗くんって名前なんだって
　きっとあの子も生きてたら同い年くらいなんだ』

「‥‥だからって無理して良い理由にはならない」

『でもね、守りたいんだ
　悠斗くんのパパも元気な姿で会いたいって思ってるもん、絶対に』

橘先生はどう言う意図でAをこっちに戻そうと思っていたのかは分からないけど、

今回の様に背負い込みすぎる様な事があったら
きっと彼女は

「お待たせ白石
　┈┈┈はっ、アンタA？！だれ！？」

『もう‥Aであってるってば』

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