検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:6,269 hit

秋扇置く ページ9

いつの間にか日は暮れ、私は地面に座り込んだまま、さくらちゃんに電話していた。

《大丈夫だよ、叶ちゃん。》
《今から政府の人、来るから。ね?》

泣き続ける私を宥めるように、大丈夫とさくらちゃんは続けた。
真っ暗になった本丸に政府の人が到着したのは、一時間近く後の事だった。

保護された私は、ずっと泣き続けていたようだ。

________

「…様、扇様っ」
「っ!?」

急に声をかけられ、驚いていると、私を案内していたこんのすけは続けた。

「ここが貴女様の新しい本丸です」

真新しい木の匂いがする。

…懐かしい、気がする。

「貴女様には、初期刀を選んでいただきます」

目の前に並べられた、五振りの打刀。
私は迷わず、その内の一振りを手に取った。

「顕現せよ」

桜吹雪が舞う。

思わず目を瞑る。

再び目を開けると、そこには。

「あー、川の下の子です。加州清光。
 扱いにくいけど、性能はいい感じってね」

懐かしい声。鮮やかな紅色の瞳。
間違いなく、彼だ。

「なーに座り込んでるのさ。」

いたずらっぽく彼は笑う。

「ほら、立ちなよ主。
 服が汚れちゃうよ?」

神様は私の手を取って、引っ張り上げた。
そのまま彼の腕の中に飛び込む。

「ただいま。」

懐かしいぬくもりが私を包み込んだ。

刀を置くやうに→←ぎ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 加州清光
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:スヴィエトゥ | 作成日時:2019年11月23日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。