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本丸は、ありえない程に静かだった。
何時もなら聞こえる短刀達の笑い声も、稽古の掛け声も、何も聞こえない。
背筋がすぅっと冷えた。

「何処にいるのですか」

置いて行かないで。捨てないで。
玉砂利を踏みしめ、私は本丸の入口へと足を踏み入れた。

空気が淀んでいて、鉄の香がする。
息を吸い込む事も躊躇う程の圧力が、私を押し潰した。

「誰か…いませんか」

返事は無い。

___パキッ
何かを踏みつけてしまい、私は恐る恐る足元を見た。
キラリと輝く欠片には、龍の模様が彫られている。

「大倶利伽羅様…?」

震え声で問うも、返事は無い。
指先が切れる事も気にせずに拾い集める。
つなぎ合わせた欠片は、間違いなく彼の物だった。

「嘘ですよね?きっと、誰かの悪戯ですよね?」

冷え切った欠片は、答えてくれない。
なんで。
これは、夢じゃない。

「他の方は…」

私は、急いで審神者の執務室ヘ向かう。

どうか、

「間に合え……!!」

う→←れ



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作者名:スヴィエトゥ | 作成日時:2019年11月23日 8時

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