【刀剣乱舞】忘れ扇【加州清光】 (ページ5)

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「あの、忘崎ちゃん！」

晴れて高校ヘ進学できた私。
高校からの帰り道で、聞き覚えのない声が聞こえた。
振り返ると、新しいクラスメイトが私を追いかけてきた。

「えっと…桜井さん、だっけ…？」

黒縁眼鏡に、みつあみにした長髪、桜色のヘアピンがトレードマークの少女。
初日から学級委員長に推薦される、優等生だ。

「あのね、クラスメイトみんなで、親睦会をしようと思うの。
　カラオケとか、どう？行かない？」
「行きたい…です」

他人とカラオケなんて、初めて。
まだ門限まで三時間あるし、大丈夫。

「じゃあ、行こ！」
「みんなー！忘崎ちゃん参加ですー！」

*

「楽しかったね、叶ちゃん！」
「うん…さくらちゃん。また行こ？」

桜井さんからさくらちゃんヘ呼び方が変わるくらい仲良くなれた。
クラスメイトも話しやすくて、直ぐに仲良くなれそうだ。

「じゃあ、また明日」
「うん、またね！」

さくらちゃんと別れて、私は本丸ヘ続くゲートに向かう。
万が一にでも一般人が転移されないように、竹林の奥深くに配置されている。

ﾌｫﾝ……

〈転移完了しました〉
音声が流れ、直ぐに視界が見慣れた景色に覆われた。

ﾋﾟﾛﾝｯ

携帯電話から、メッセージの届く通知音が聞こえた。
取り出して内容を見る。

〈件名:無し本文:くるな〉

清光様からのメッセージだ。悪戯だろうか？

ﾋﾟﾛﾝｯ

画像が送られてきた。
画質が多少荒いが、これは…本丸。
そして、被写体は…

「時間遡行軍…？！」