10日目 るぅと ページ30
るぅとside
桜は終わり、春とは言い難い
真夏のような天気
久しぶりにA達に会いたくなって
電話をした、
そしたら受話器から少しの雑音にのせて
病院
という嫌な言葉が聞こえた
横の公園と言っていたから
きっと大丈夫だと思う、
だけどすごい嫌な感じがする
そう思いながらも
タクシーを使って
公園に着くと
噴水の近くのベンチに座っている
Aを見つけた
後ろ姿から
特にいつもと変わりのないAが
うかがえて
ほっとした気持ちで声をかけた
るぅ「A……？どう、したの？」
名前を読んで振り返ったA、
目には眼帯をしていた
そうだった、
僕の悪い勘は、
よく当たるんだった
Aside
るぅとくんはどうしたの？
と言い終わる前に足を動かした
明らかに早い足取りは
少しおぼつかないように見えた
不安そうな顔をするるぅとくんは
私の横まで来ると
もう1度
るぅ「どうしたの……？」
と言って横に座り顔をのぞき込んできた
貴「るぅとくん、私ね明日死ぬんだ」
るぅとくんの方は向かなかった
ただ下を向いて
自分の膝をじっと見つめて
いった
るぅとくんは何も言ってこなかった
代わりにるぅとくんの泣き声だけが
私の耳に届いた
るぅとside
僕の悪い勘は見事に的中し、
そして、予想以上に悪いことになった
明日はありえないよ
嘘だよ
きっとなんかのドッキリだ……
そう頭で考えても
直ぐに悲しみに占領されてしまって
ただただ涙が出るだけだった
僕はAに何も言えずに
1人で黙って俯いた
きっとこんな時
普通はなにか言ってあげるんだろうけど
僕には自分のことで精一杯だった
頭が……パンクしそうだ
Aside
ずっと続いていた沈黙
るぅ「嫌です」
るぅとくんの一言でやぶられた
嫌です
と絞り出したような
かすれた声が隣で静かに落ちた
貴「私も、嫌だな……るぅとくんに会えなくなる、遊べないし、歌えないし、何も出来ない」
るぅとくんは
私の言葉に耳を傾けて必死に頷いた
その度目から零れる涙の量が増えていった
るぅ「僕も、Aに会えなくなるの嫌だし、また、ご飯一緒に食べに行きたいし、一緒にいきてたいよ」
どんどんと小さくなっていく声に
胸が痛くなった
るぅとくんとの
久しぶりの再開は
電話がかかってきたときから
胸が痛かった
るぅとくんは
ずっと私の横で泣いていた
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カスミソウ(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！！親が隣にいるので泣くの堪えるの大変でしたwww私ころちゃん推しなのでこの作品すごくうれしいです！！たくさん共感できていろいろ考えることができました。これからも応援してます！！ (2020年4月14日 17時) (
レス) id: 85b3e09a77 (このIDを非表示/違反報告)
ﾌﾟﾘﾝ＠ahaha_purin(プロフ) - 松野かほさん» ありがとうございます！あ (2020年1月1日 0時) (レス) id: 9ee154f0db (このIDを非表示/違反報告)
ﾌﾟﾘﾝ＠ahaha_purin(プロフ) - 恋花ﾚﾝｶさん» ありがとうございます！ (2020年1月1日 0時) (レス) id: 9ee154f0db (このIDを非表示/違反報告)
恋花ﾚﾝｶ - 号泣しました。親にガチで引かれました。ステキな作品でした！ (2019年12月31日 0時) (レス) id: 8916eccc14 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - ジェルくんの話しで号泣しました、私が思っていたことと全く同じで……壊れないか心配で…… (2019年8月20日 15時) (レス) id: 3dd7240901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒瀬＠からあげクン | 作成日時：2018年4月6日 2時
