プロローグ ページ2
初めて知った。
イタズラは、こんなにも心を温かくするんだと。
イタズラで、人の心を変えることができるんだと。
キミと出会って知った。
イタズラには愛があるんだと…。
出会ったのは4月1日。
まだ高校に入学する前の、唯一ウソが許される日だった。
桜の木が並んでいる並木道。
お母さんに買い物を頼まれ、スーパーに向かうためにその道を歩いていると。
『なぁ、俺さっき宇宙人に会ったんだけど』
『え?』
突然、うしろから走ってきた同い年くらいの男の子に言われた言葉がこれだった。
整った顔にパッチリとした目。
背はそんなに高くないけれど、カッコいい人だなって思った。
見つめ合う俺たちの間をビュンッと風が吹き、咲きたての桜が俺たちの間を通りぬけるように散る。
その瞬間、彼は言った。
『ウソだよーん』
ニコッと笑って去っていった彼に、小さく胸が音を立てたのを感じた。
…ヘンな人。
そう思いながらも、小さく鳴った心臓の音に、これからなにかが始まる予感がした。
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作者名:きぬ。 | 作成日時:2018年4月23日 12時