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さようならそしてこんにちは ページ4

今日は村の神様に生贄を捧げる日。

生贄を捧げれば農業も上手く行くと信じてる馬鹿どもらは生贄という名の人質をかかげる。

それが私。

今年は私の番なんだという。

どっからどこまで馬鹿な奴ら。

手足に繋がれた鎖。だらんと力が出ない体。

冷たい床。ここは檻だ。

いつからご飯をたべてないっけ。

そんなことしか考えてなかった。

死ぬのに恐怖はなかった。

痛みなんて感じない。

「早く出ろ」

冷たい声。

誰だっけなこいつ。

あぁそうだ。

父親だ。

私を赤子の私に頭を下げていた父親だ。

今ではこんな偉そうに。

重たい鎖を引きずって外へ出た。

空は曇っていた。

5年ぶりの空。

曇りなのに妙に明るく感じた。

眩しい。

お腹すいたな。

眠たいな。

疲れたな。

目の前にはたくさんの人が見える。

台に上る。

裸足だからよく分かる木の感触。

気が狂ったのかそれさえも心地いい。

たくさんの人の中には殆どが私を慕っていた奴ら

偉い代わり用だな。

母も父も叔母も叔父も。

駄菓子屋の婆さんも

駄菓子屋の爺さんも。

みんな皆結局そういうやつなんだ。

何故が笑うしかなかった。

この歪んだ世界に。

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作者名:檸檬 | 作成日時:2019年9月5日 0時

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