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A「…誠也くん」
末澤「ん？」
A「なんか言いたいことあるんやったらはよ言ってくださいよ」
あの時触れた唇が動く度に記憶がフラッシュバックする。
末澤「…別に何もあらへんで」
じゃあ何しに来たん？
―とは聞けず、仕方なく黙り込む。
顔は見れないままで電源のついていないテレビのディスプレイをただただ見つめた。
恐らく誠也くんはあの出来事を何とも思っていない。
私が一方的に無駄な意識をして戸惑って落ち着かないだけのこと。
それもまた悔しくて情けなくて自分が嫌になる。
末澤「今日も小島と寝るん？」
A「えっ？」
末澤「いつも小島と寝てるやん」
A「寝かしつけてもらってるだけですよ」
末澤「そうなん？」
A「私が寝たら小島部屋戻りますもん」
末澤「ふーん、」
風呂上がりでノーセットの前髪をそっとかき上げた誠也くんが私の顔を覗き込む。
先程より縮まった距離感に緊張しながら仕方なく視線を合わせた。
末澤「なんか…嫌がってへん？」
A「…何をですか？」
声が震えているのが自分でも分かった。
末澤「俺が来て嫌そうやん、」
何で何もなかったみたいな顔して喋れるん？
末澤「…まあええわ、今日は小島いらんやろ」
A「え？」
末澤「先断っときや」
A「え…？何でですか？」
末澤「俺おるやん」
A「…えっ！？誠也くんずっとおるつもりですか！？」
私の言葉に頷いた誠也くんは思いっ切り腕を伸ばし、そのままゆっくりと体を倒した。
シーツの上で大の字に寝そべる無防備な姿に動揺する。
末澤「たまにはええやん」
きっと誠也くんには敵わない。
この先もずっと翻弄され続けるだろう。
A「…分かりました」
でも何故か抗えない。
不思議とそこまで嫌でもない。
テーブルの上にあったスマホへと手を伸ばし、小島に"今日は寝れそうやわ"とだけ連絡をしてディスプレイを伏せた。
その後は色んな話をした。
仕事の話、舞台ツアーの話、メンバーの話。
プライベートで楽しかったこと、最近買ったもの、昔の思い出。
会話をしながら笑ったり共感したりしていくうちに心の中で抱いていた緊張感が解れていった。
眠りにつく頃にはずっと誠也くんを避けていたことがまるでアホらしく思えた。
部屋を訪れたのはきっと誠也くんなりの気遣いだったのだろう。
2人で迎えた朝は清々しく、窓の外で太陽が笑っていた。
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小袖(プロフ) - お疲れ様です。とても面白い作品でしたが、受け止めきれない現実にみんなびっくりしてますよね( ; _ ; )少しづつ乗り越えて行けるように日々充実させて頑張りましょうね( ; _ ; ) (4月26日 13時) (
レス) id: 85c8a13628 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年11月14日 0時
