主演で何が悪い！ ページ33
A「えっ！？」
思わず大きな声を上げた。
A「ほんまに！？」
マネージャーさんが穏やかな笑みを浮かべながら頷く。
A「え〜！やった〜！」
長時間に渡るYouTubeの撮影を終えた私に舞い込んできた突然のサプライズ。
それはここ最近沈みっぱなしだった気持ちを盛り上げるのに十分過ぎるほど大きなものだった。
福本「何？何かやるん？」
A「舞台！」
草間「おー」
A「主演！」
末澤「おー」
A「やったー！」
舞台ツアーを終えて以来ずっと演技への意欲が高まっていた私にとって最大のチャンスともいえる機会が訪れた。
嬉しくて仕方がない。
A「あ！丈くんに連絡せな！」
草間「何で？」
A「仕事決まったら毎回連絡してるんですよ〜」
鞄から取り出したスマホのロックを解除する。
アプリを開いて丈くんとのトーク履歴を探そうとしたその時―
A「…えっ」
思わずフリーズした。
脳機能も、指の動きも。
時が止まったような感覚さえ覚えた。
A「え…あの、」
マネージャー「ん？」
A「資料、」
マネージャー「ん？これ？」
A「見せてください…」
手渡された紙を震える手で受け取る。
そっと視線を落としたその先に、紛れもなく"その名"が記されていた。
末澤「…何？」
福本「顔色悪！」
草間「テンションの高低差えぐいな」
心配しているような呆れているような、どちらともとれる表情のメンバーが私の顔を覗き込む。
嫌な汗が背中を伝った。
A「元カレ…」
末澤「えっ？」
A「私の…私のお兄ちゃん役、元カレや…」
―最悪や。
末澤「えっ？マジで？」
福本「やば」
草間「気まず」
A「いやほんまに気まずい…どうしよ…」
先程まで浮かれていたはずの気分がずっしりと重みを増し、目眩すら感じる。
以前大ちゃんが共演しただけでもかなり驚いたのに、まさか自分が彼と同じ舞台に立つだなんて想像もしていなかった。
同じ世界にいることを改めて実感させられる。
末澤「まあええやんか」
草間「気にしたところでどうにもならんやろ」
高校卒業以来一切顔を合わせていない彼との再会は正直怖い。
どんな目で、どんな声で、どんな風に接するべきなのだろう。
再びスマホの画面に目を向けた。
彼から届いているメッセージは"久しぶり"の4文字だけ。
A「あ〜…どうしよ〜！」
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小袖(プロフ) - お疲れ様です。とても面白い作品でしたが、受け止めきれない現実にみんなびっくりしてますよね( ; _ ; )少しづつ乗り越えて行けるように日々充実させて頑張りましょうね( ; _ ; ) (4月26日 13時) (
レス) id: 85c8a13628 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年11月14日 0時
