リアルに恋して何が悪い！�� ページ17
佐野「やば。やばいっすよ、これとか。」
A「どれ？」
佐野「この端っこのやつ」
控え室のソファに座ってa誌を開く晶哉の瞳はキラキラと輝いている。
佐野「めっちゃ可愛い！」
ストレートな褒め言葉が恥ずかしくて思わず俯いた。
私とまっさんの特集記事に付けられたタイトルは"永遠の和音"。
ダブルギターを担う私達にとってピッタリのワードチョイス。
佐野「オールバックも似合っちゃうんや、ひなちゃん」
A「でも前髪なかったら落ち着かんわ」
佐野「おでこ綺麗やからどんどん出してった方がいいと思いますよ」
A「え〜？そんなん言われたら調子乗ってまう〜！」
相変わらず褒め上手の晶哉と話せば自然と気分が高まっていく。
明日の収録は前髪を上げてみようか、なんて考えながら鏡と睨めっこを始めた。
佐野「けどあれっすね」
A「んー？」
唇のカサつきに気が付いてポーチからリップクリームを取り出した。
そっと蓋を開けてゆっくりと繰り出し、乾いた皮膚に潤いを与えていく。
佐野「複雑っすね」
A「何が〜？」
ポーチのファスナーを閉めて再び鏡の自分と視線を合わせた。
昨日エステに行ったお陰かフェイスラインがスッキリしている。
佐野「まあお仕事やってことは俺らが1番分かってますけど」
A「うん？何の話？」
そこでようやく晶哉の方を振り返った。
適当に相槌を打っていたせいで会話についていけてないことに気付く。
佐野「いや…何でも受け入れられるとは限らへんなあって」
A「…ん？やから何を？さっきから何の話してんの？」
首を傾げる私の間抜け面に呆れたような眼差しが向けられる。
今回の記事もかなり好評だった。
大ちゃんや廉くんからも購入報告の連絡が届いており、正直晶哉に褒められる前から調子に乗っていた。
―しかし、これを見た全員が肯定的だとは限らない。
パタンと音を立てて閉じられたa誌がやや乱雑にテーブルへと着地した。
A「え…何？晶哉怒ってる？」
佐野「怒ってませんよ」
A「…何なん？」
控え室に深い深い溜め息が響き渡った。
佐野「ひなちゃん、俺と撮る時も同じくらい近付いてくださいね」
A「えっ？」
佐野「約束ですよ」
立ち上がって歩み寄ってきた晶哉に半ば無理矢理"指切りげんまん"をさせられる。
口を開いてポカンとする私を放置したままで晶哉はスタスタと廊下へ消えていった。
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小袖(プロフ) - お疲れ様です。とても面白い作品でしたが、受け止めきれない現実にみんなびっくりしてますよね( ; _ ; )少しづつ乗り越えて行けるように日々充実させて頑張りましょうね( ; _ ; ) (4月26日 13時) (
レス) id: 85c8a13628 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年11月14日 0時
