検索窓
今日:70 hit、昨日:66 hit、合計:1,021,727 hit

190 ページ20

.


藍沢side




ヘリの見える、俺たちが毎日走る道。

“Emergency”と書かれたその青い世界を見つめながら、2人で話をした。





「・・・こんな所で申し訳ないんだけど、この前のこと・・・ちゃんと話そうと思って。

私ね、耕作のお荷物にはなりたくないの。
本当は、トロントにだって行って欲しくない。
私のそばにいて欲しい。
だから、結婚しようって言ってくれた時、本当に嬉しかった。」

藍沢「トロントに行って欲しくないというお前の気持ちは分かっていた。
だからこそ、申し訳ないと思っている。
・・・でも、俺は医者だ。」

「そう、貴方は医者。
だからね、もうトロントのことは何も言わない。
医者としての耕作が、大好きなの。
そんな耕作のこと、そばで・・・って訳にはいかないけど、どんな形でも貴方を支えていたい。
だから・・・・・・私と結婚してください。」






驚いた。

あの夜話した時、彼女は驚いたような困ったような。
そんな表情をしていた。
──きっとフラれるんだな、とも思った。

Aを見つめると、“なんか言ってよ・・・”と呟いて。
その腕を引き、思い切り抱きしめる。

消えかけたその首元の跡を撫で、耳元で囁いた。





藍沢「A・・・愛してる。」

「ここでそれは反則だって・・・」





体を離して、“お前は?”と問うと、
顔を赤らめ小さく口を開いた。






「わたしも・・・・・・愛してるよ。」








そう言った彼女の口を自らの口で塞いだ。

191→←189



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (418 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3502人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なつ | 作成日時:2017年9月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。