あの人たちの忘れ形見 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:21 hit、合計:13,204 hit

遠い記憶3 ページ5

私の夏季休暇もそろそろ終わる頃、姉に恋愛相談をされた。

岩子「ねぇ、、Aはあの人のことどう思う？」

姉は恥ずかしいのか、少し目を逸らして尋ねてきた。
その様子に少し意地悪がしたくなって、

A「あの人？」
ととぼけて見せた

岩子「もう！わかってるでしょ！あの人よ！」

さすが姉さん。やっぱり分かるか、

A「ごめんごめん、あの人の事ね、どうって普通だよ。
特にこれといって特別な感情は無いし、強いて言うなら」

岩子「強いて言うなら？」

A「あいつ、最近来すぎじゃない？うちに」

最近、やけに理由をつけてあの白髪が家に来る。

私と姉さんのスウィートホームに。

この前は、川で魚がとれたからと言って魚を持って来たり、

その前は、山菜を大量に持ってきた。

昨日なんか、

ゲゲ「この家のご飯が恋しくてのう、、」

とか言って、、。

さすがに図々しいと思った。

岩子「あははは！確かにそうね」

そうか、姉さんはあの人のことが好きなのか

私だけの姉さんじゃなくなってしまうかもしれない

あの白髪は人間社会のことをこれっぽっちもわかっていないし、きっと姉さんに迷惑をかける。

野生児だし。

でも、姉さんが好きなのならば私は応援するべきだ

まぁ、応援せずともあの白髪は姉さんにぞっこんだが。

何かと理由をつけてうちに来るのは、

姉さんに会いに来ているからだ。
見ていればわかる。

もうすぐ夏季休暇も終わる。次は年末だろうか。

学校、行きたくないな。