あの人たちの忘れ形見 (ページ3)

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遠い記憶。ページ3

学校のチャイムがなる。

それと同時に私は教室を飛び出して、一目散に駅に向かう。

今日から学校は夏季休暇に入る。

A「やっと、、やっと帰れる！」
久しぶりに会う姉の顔を思い浮かべて駅へ向かう足が早くなるのを感じた。

駅について電車に乗る。その間もずっと頭には姉の事を思っていた。

A「久しぶりに会えるからなー、元気にしてるかな。」
私の姉はもう成人していて、私が学校へ通うために日々労働に勤しんでいる。

人間ばかりの学校なんて行かなくてもいいと言ったのに、「将来のためになるんだから！」と姉は無理に私を寮付きの女学校へと入学させた。

実際、女学校は確かに将来のためになるような所だったが、女が教わるのは裁縫、炊事、家事、そして将来子供を産んだ時、男児だった時にはこう教えよ、というような教育ばかりで数学などというものは一切教えられなかった。

A「(クソみたいな世の中だな。どんだけ良妻賢母を量産したいんだよ。)」

とそんなことを日々考えていた。
想いをめぐらせるうちに家への最寄り駅に着いていて、そのには姉の姿があった。

岩子「久しぶり！！元気にしていたかしら！」
A「姉さん！！！！！！」

久しぶりの姉の声、嬉しさのあまり爆音で叫んでしまった。
周りの視線が痛い。

岩子「ふふふ！そんなに寂しかったの？」
A「別にそういう訳じゃあ、、」
これから当分、また2人で過ごせそうだ！

この考えは、姉の次の言葉で粉々に霧散した。