遠い記憶。14 ページ17
人の気配の代わりに、大きな強い気配を感じた。
なんの気配だ。この男からか?
いつの間にか少女から壮年男性に姿を変えた人間を見やる。
A「どういうことかな?淑子さん。この場に人の気配がないし、人がいた形跡もない。荒れ具合からしてかなりの間無人だったみたいだけど。」
?「君は私がこの姿になっても、私のことを淑子と呼ぶのかね?」
A「その名前しか知らないからね。それとも聞いて欲しいのか?お前は何者だ、と。」
?「普通はそうだろうね。まぁいい。」
そう言いながら男は尋ねてもないのに話し出す。
?「私はカ寺(カジ)という。この場所には嘗て、神主とその息子一家が住んでいたがもう居ない。まぁ、見ればわかると思うがね」
男はニヤニヤ笑いながら話している。何がそんなに面白いのだろう。
カ寺「この神社には我々の先祖について綴られた文献があった。そこには鬼道衆の術が記されていた。何故その文献がこの神社にあったのかは分からないが、それは鬼道衆にとっての弱点となる。だから、殺した。」
A「成程、わかりやすい説明どうも」
カ寺「殺したあとはちゃんと再利用したんだが、何に使ったと思うね?」
A「(いい性格してやがる)知るかそんなん。」
いちいち問いかけてくる上から目線に腹が立つ。そろそろ殴りかかってもいいだろうか。
しかし奴は先祖について綴られた、鬼道衆の、と言っていた。つまりは奴も鬼道衆だということだ。ほんとうにわかりやすい説明だ。
不味いな。嫌な予感がする。
ここで進言しておくが私は強くない。幽霊族の能力としてあるものはあるが、幼少期から姉にくっついて人間界に溶け込んでいたため、実戦経験なんて物は一切ない。
ちょっと丈夫な人間程度だ。
カ寺「正解は、呪物としてこの部屋の床下に埋まっている。でした!」
カ寺「唵」
人差し指と中指を揃えてそう唱えると、私の足元の床が赤く光って次の瞬間激痛が走った。
A「があああ!!!!!!」
自分の胸の辺りが光だし、何かが分離していく。火の玉のようなものが。
A「(私の魂か?)」
そう思っているうちに、その火の玉はカ寺の手元に収まった。
A「、、鍛、冶が嬶、、野郎、め、、」
途切れ途切れの意識の中見えたのはカ寺の気持ち悪い笑顔だった。
カ寺「妖怪と一緒にすんなよ。気持ち悪い。」
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さかな(プロフ) - 輪廻さん» ご報告ありがとうございます!修正しました! (12月24日 1時) (レス) id: fdbfb203cc (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 作者さーん!オリジナル作品タグついちゃってますよー! (12月23日 23時) (レス) id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さかな | 作成日時:2023年12月20日 0時