百三十九 【楽しませてくれよ】 ページ39
「ああ、そこでぶっ倒れてる女か。それもオレだよ！頭を軽く殴ってやったらすぐに気絶しちまったぜ」
ヘラヘラと笑いながら話すザクの言葉を聞いて、サスケの身に纏う殺気は更に膨れ上がる。
「いの！そのカッコじゃまきぞえだぞ！元の体へ戻れ！！チョージもこっち来い！隠れんぞ！」
危険を感じ取ったシカマルはいのの体を抱えて茂みの中へと隠れる。チョウジもそれについて行き、いのは術を解いて自分の体へと戻った。
サスケの体の呪印は広がっていき、それに比例してチャクラも増えていく。
「チャクラがデカ過ぎる！」(い…いくらなんでもこれほどまでっ…)
「ドス！こんな死に損ないにビビるこたぁねえっ！！」
「よせ！ザク！分からないのか！」
ザクはドスの制止も聞かず、サスケ達に手のひらを向けると先程よりも強い超音波を出す。辺り一面が強い風に襲われ、地面さえも削れるほどの威力だった。サスケ達の姿は見当たらない。
「へっ！バラバラに吹っ飛んだか」
「誰が？」
状況を理解する間もなく、ザクは背後にいたサスケに強く払い飛ばされた。サスケの近くには、サクラ、ナルト、Aも揃っている。
(速い！！しかもあの3人を抱えて一瞬で…！！)
サスケは肺いっぱいに空気を吸うと、口から無数の火の玉を飛ばす。
「図に乗るな！！かき消してやる！！」
超音波で火を消すことはできたが、火の中にあった手裏剣は容赦なくザクを襲った。ザクが狼狽えていると、サスケは瞬時に身を低くして移動していた。
「ザク！！下だっ！！」
「え……？」
サスケはザクの両手を後ろに回して掴み、座り込むザクの背中に足を乗せる。
「クク…お前…この両腕が自慢なのか……」
「！」
サスケはザクの腕をそのまま後ろに引っ張り、背中に乗せていた足を踏み込んだ。ザクの腕からは骨の音が大きく鳴り響き、ザクは叫びながらそのまま倒れる。
「残るはお前だけだな…お前はもっと楽しませてくれよ…」
サスケは笑いながらドスの方へと歩を進める。見たことも無いサスケの異様な姿に、今までのサスケを思い出してサクラは涙を流す。
(こんなの……サスケ君じゃない！！)「やめて！！」
サクラはサスケの後ろから抱きつき、サスケを止める。赤い写輪眼がサクラを振り返った。
「おねがい…やめて…」
サクラの言葉が引き金になり、サスケの呪印はみるみる引いていく。
「くっ…」
「サスケ君！！」
サスケは体力の限界か、地面に座り込んだ。
「君は強い…」
そう言葉を発したドスの手には地の書が握られていた。
百四十 【手打ち料】→←百三十八 【たとえ悪魔に身を委ねようとも】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラーメン(プロフ) - ハニさん» コメントありがとうございます！絶妙なきゅんを狙っていたので、そう感じていただけてよかったです(*´`)この作品が少しでもハニさんの毎日を頑張るきっかけになっているのならとても嬉しいです！不定期になってはしまいますが、更新頑張ります！ (2022年5月31日 22時) (
レス) id: 25c5c003b3 (このIDを非表示/違反報告)
ハニ(プロフ) - 初めまして！絶妙な甘さにきゅんきゅんします(≧∀≦)！無理せずゆっくりでいいので最後まで是非書いて頂きたいです！更新を楽しみに毎日を頑張ります！ (2022年5月31日 21時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン(プロフ) - カリンさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです(*^^*)これからも頑張ります！ (2022年5月17日 22時) (レス) id: 25c5c003b3 (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - すごくおもしろいです‼︎更新無理せず頑張ってください‼︎ (2022年5月17日 17時) (レス) id: fbb8f9a3ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コノハナ | 作成日時：2022年4月27日 1時
