117話 ページ22
及川side
及川「……分かったよ。
急いでるみたいだし、早く行こうか」
にこり、とA君に微笑んで見せると、A君も笑顔を作った。
それが随分と安っぽくて。
俺、普段こんな顔してんのかな、なんて思った。
『じゃあお願いしまーす!』
*
及川「A君はなんで宮城に来てたの」
無言も気まずい気がして、A君に話を振った。
すると、ニッとイタズラっぽく笑って、俺を見つめるA君。
その顔にドキッと胸が高鳴った気がした。
『何故でしょうか』
逆に質問で返され、イラッと来た。
及川「質問で返さないでもらえるかな?」
『ははっ。そっちの反応の方が及川先輩らしいですよ!』
及川「なっ!なんかムカつく!」
声高らかに笑うA君。
岩泉「なかなか分かってるな、お前」
『でしょでしょ〜!』
及川「2人で意気投合しないの!
俺、寂しくなるから!」
岩泉「なんだそのキモい反応は」
冷めた目で岩ちゃんは俺を見てくる。
ついでにA君も。
及川「で、宮城に来た理由は!?」
しびれを切らして強い口調でそう言うと、あ、そうだった、と思い出したように言って、A君は笑うのを止めた。
『白鳥沢って高校の牛島若利さんに勧誘されて、体験入学してたんです』
「「は?」」
岩ちゃんも俺もすっとんきょうな声を出してしまう。
及川「あの牛若ちゃんに勧誘された!?」
アイツ、本当に自己中心的で勝利に貪欲だよな〜。
岩泉「んで、お前はオッケーしたのかよ」
『断りましたよ。
僕、やっぱり音駒のチームメイトと勝ちたいなーと思ったんです。
勝てれば言い訳じゃないですから』
ああ、なんか分かるかも。
俺も、青城のみんなとじゃないと勝っても意味ない気がするから。
『僕、音駒のみんなが好きですから』
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サクラ - Luneさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2019年7月30日 13時) (レス) id: 9cd941d146 (このIDを非表示/違反報告)
Lune - こういう感じの作品が見たかった..(感動)もう最高すぎです!面白いし、もうなんかとにかく好きです← 更新頑張ってください!応援しております!! (2019年7月27日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - キラリさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう、頑張りますね! (2019年3月27日 7時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ(プロフ) - あの......好きです!笑 これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年3月26日 3時) (レス) id: 203d4207d9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ファンミさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年3月23日 20時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラ | 作成日時:2019年2月16日 16時