97話 ページ1
Aside
『……あの、もう1度言ってもらってもいいですか?』
?「何度でも言おう。
白鳥沢に来ないか、立川A」
僕の目の前に座る男の人……私立白鳥沢学園男子バレー部の主将兼エース牛島若利さんは真っ直ぐ僕を見つめたまま、そう言った。
牛島「
……もう、訳が分からない!
『あの、分かりました。
とりあえず何点か聞いてもいいですか?』
僕がそう言うと、牛島さんは黙って頷いた。
ここは、僕の家だ。
高本さんの家ではなく、僕の家。
カラオケ騒動から丁度1週間が経ち、今日は日曜日。
最近、休日は自分の家に帰って、部活がない日はゆっくりする事が多かった。
そんな時、インターホンが鳴り、押したのは牛島さんだった。
とりあえず、家に入ってもらい、お茶を出し、僕がイスに座った途端、牛島さんは勧誘をしてきた。
『まず、どうして僕の家を知っているんですか?』
牛島「猫又監督に教えてもらった」
え、ひとの個人情報勝手に流出させないでほしいんですけど。
『次に、牛島さんは宮城に住んでますよね?
なのに、何故東京に?』
まさか、僕に会いに来た、とかじゃないよね?
牛島「もちろん、お前を勧誘する為だ」
マジか!
『では、何故、僕にリベロとして入ってほしいんですか?』
牛島「腕のいいリベロがうちにはひとりしかいないからだ。
3年で、来年はいない。
そこで、有望なヤツを入れておきたいんだ。
レシーブ力が高いというお前に入ってほしい」
『……最後に、ひとつ。
どうして、女と知っているのに、僕を男子バレー部に勧誘するんですか?』
そう。
僕は休日だから、女の格好をしている。
と言っても、ウィッグをつけていないくらいだが。
服装は男でも有り得そうな感じ。
でも、女に見える。
牛島さんは、最初、僕に会った時、
「お前が立川Aだな」
と言った。
明らかに女に見える僕に、だ。
この人は女と分かっていながら、僕を男子バレー部に勧誘している。
そこが不思議で堪らない。
牛島「……お前は強い。
男に負けないくらいな。
だから、お前を誘っている」
『そう、ですか』
この人は、なんて、真っ直ぐな人なんだろう。
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サクラ - Luneさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2019年7月30日 13時) (レス) id: 9cd941d146 (このIDを非表示/違反報告)
Lune - こういう感じの作品が見たかった..(感動)もう最高すぎです!面白いし、もうなんかとにかく好きです← 更新頑張ってください!応援しております!! (2019年7月27日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - キラリさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう、頑張りますね! (2019年3月27日 7時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ(プロフ) - あの......好きです!笑 これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年3月26日 3時) (レス) id: 203d4207d9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ファンミさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年3月23日 20時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラ | 作成日時:2019年2月16日 16時