男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！

３７話 ページ39

夜久side


しまった、と一瞬思ったけど、言えたのだから結果オーライだ。





顔を赤くして固まるA。




混乱してるよな。





俺の中でスゴく焦っていた。





誰かを好きになったのは初めてで、いつ伝えたらいいのか、なんて言えばいいのか分からなかった。



それに、自分の好きなタイプとはまるで違うから。


おしとやかで、昼休みは本を読んでいるような物静かな子が好きタイプ。



なのに、Aはおしとやか、というには程遠い。



バレーが好きで、みんなを盛り上げてくれるようなうるさい所があって。





今、多分Aと同じくらい戸惑っているだろう。



でも、Aが好きなのは間違いなんかじゃない。






夜久「A」


『………なんですか？』


夜久「返事は………………いらない。


でも、頭の隅にでも入れておいて。






俺、本気だから」





パッと目を逸らすA。




耳まで赤い。


照れているのだ。






けっこう可愛いとこあるよな。




俺はポンポンとAの頭を撫でて、部活に行こう、と促した。




Aはコクリと黙って頷いて、そそくさと教室を出ていく。








んー、やっぱしくったかも。





頭をかき、先に行ったAの後を追う。

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