男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！

２２話 ページ23

孤爪side



もうすぐ帰るというのに、Aの姿が見当たらない。



だから探しに来た。




体育館裏に来た時、見てしまったんだ。




Aと烏野の長身ブロッカー君が抱き締め合っているところを。







俺はしばらくその様子をボーっと見ていた。



その場から動く事が出来なかった。






ふたりがそういう関係という事に、イライラしている自分。



もやもやとして、気持ちが悪い。





孤爪「っ………………」







直後、Aが怒鳴り、長身ブロッカーのヤツを押し退けた。



そして、体育館に入ろうとする。


だけど、いきなり足を止め、俯いた。




何を話しているのか、聞こえなかった。






そのまま、Aは体育館に入り、ブロッカーのヤツもゆっくりとした足取りで入っていった。







孤爪「………関係ないじゃん」




Aが誰とどんな事をしようと、俺には関係ない。



ただの後輩。





それなのに、どうしてこんなに





孤爪「………………胸が痛いんだろ………」





ズキッ、ズキッと胸が痛む。






ケガをした時の痛みとは少し違う。









こんな感情も、痛みも、


知らない。








Aに会ってから知らないものによく出会う。









Aが烏野に誘われてるのを見て、渡したくないって思ったんだ。




今まではそんな事、誰に対しても思わなかったのに。






孤爪「俺が、俺じゃないみたいだ………」

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