生まれ変わったこの世界で

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日下瑛二







突然、女の子はアカツキくん目掛けて包丁を振り上げ襲いかかった

…いや、襲いかかろうとした








鬼ヶ崎「その物騒なモン離しな、お嬢ちゃん」







カイくんが女の子の右手を掴み、蝉が喉元へナイフを突きつけたのだ


そして、ガシャンと音を立てて手から落ちた包丁を忍霧くんが拾い上げた







女の子「お、鬼……？」

鬼ヶ崎「俺らは鬼じゃねぇ」

女の子「ほんと…？」

入出「はい。本当です」

「蝉、ナイフ下ろしてあげな」







顔を青くした女の子をずっと脅して楽しむ趣味はない

耳に届いていないのか、なかなかナイフを下ろさない蝉の頭にポンと触れると、

蝉はハッとしてナイフを下ろした







「蝉、どうかした？」

蝉「いや…何でもない」

「ていうか前髪目にかかってんじゃん。
このゲーム終わったら切りなよ？」







そう言って蝉の前髪を流して耳にかけてやった

すると、女の子の表情がパッと変わった



…やっぱり女の子はこういうイケメン好きなのかね







鬼ヶ崎「…蝉」

蝉「…っ、大丈夫だ」

鬼ヶ崎「…無理はするもんじゃねぇよ」

蝉「…してない」


更屋敷「…ねぇ、なんの話ししてるの？」

鬼ヶ崎「…本人が大丈夫って言うんなら大丈夫なんじゃないか」

更屋敷「え…？」







首を傾げるカリンちゃんとヒミコちゃん

何かを察したのか、逢河くんはポンポンと蝉の頭を撫で始めた







蝉「…なんだよ」

逢河「がんばってね」

蝉「…ん」

日下「あ、照れてる」

蝉「っ、うるせ」

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