検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:20,104 hit

ページ35

入出アカツキ







ゴソゴソッという物音に目が覚めた

真っ暗な部屋を少し慣れた目で見渡してみると、皆それぞれ上着を掛けたりして眠りについている







「あれ…?」







日下さんの隣にいたはずの蝉さんの姿がない

少し気になって倉庫の中を探ってみると、

端っこの方に小さな人影が見えた







「…蝉さん?」

蝉「ん?…あぁ、悪い、起こしたか」

「いえ、」







ナイフを手に持ち、ボーっとそれを眺めていた蝉さんの目に光はなかった

部屋が暗いせいなのか

それとも別の原因なのか

…それを探ったところで、きっと彼は話してくれないだろう

だから俺は蝉さんの目の前に静かに腰を下ろした







蝉「…なんだ」

「蝉さん、寝ないんですか?」

蝉「…仕事柄、些細な物音も気になって眠れねぇんだよ」

「仕事柄…?」

蝉「部屋に行けば、ヘッドホンがあるんだけどな」







華麗にスルーされた俺の言葉

きっと言う気はないだろうから、俺もスルーすることにした







「…蝉さんって結構歳上なんですね」

蝉「?」

「いや、“仕事”って言っていたので。
俺、てっきり同い年ぐらいだと思ってました」

蝉「…正確な歳はわかんねぇけど、成人はしてる」

「へぇ、意外です」

蝉「そうか?」







少し幼い顔で俺の顔を覗き込む蝉さん

その顔に少し可愛らしいと思ったのは黙っておこう







更屋敷「ねぇ…そこに誰かいるの…?」

「あ、カリンさん。起こしちゃいましたか?」

更屋敷「あ、いや…その…」

「?」

更屋敷「…と、トイレに…行きたくて…」

「トイレですか?」

更屋敷「ほら、2人組で行動してって言われたでしょ?
ユズさんの姿が見当たらなくって…」

「そういうことですか。ではお供しますよ。
…蝉さんも行きますか?」

蝉「…いい」

「じゃあ、2人で行ってきますね」








蝉さんから予想通りの言葉を聞き、ゆっくりと立ち上がって

カリンさんと2人でトイレに向かった

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のあ抹茶(プロフ) - こんにちは、このお話とは関係がないですが、「Broken Emotion」は最新されないんですか?このお話も面白かったです、最新頑張ってください(^O^) (2020年4月6日 14時) (レス) id: e5127ccdd8 (このIDを非表示/違反報告)
カイル(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみにしています! (2020年3月26日 17時) (レス) id: 2ba625995f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Alice | 作成日時:2020年2月26日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。