な組のぷりんせす２

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教室前にて。
木村side




すでに衣装に着替えて教室前で、


ドレスに着替えているAを待っている。


いや、正直あの衣装はヤバイ。


似合いすぎてるし、何より露出度高すぎてちょくしができない。




俺は、Aが好きだ。


文化祭活動期間、客引きとしての役割が一緒だからほとんどをあいつと過ごした。


時々見せる笑顔とか、すんげぇかわいい。


授業中、興味なさげに窓の外を見つめる横顔とか、


綺麗すぎて言葉も出ない。


風間と一緒にいる時の笑顔を、俺の前でも見せて欲しいと思うようになってた。


気がついたら目で追ってた、よく聞く言葉だけど、


本当にそうだった。


たしかに、あいつと初めて話した日からまだ日は浅い。


知ったかぶりして好きって言うなって言われても、


おかしくはないし、否定もしない。


でも、好きになっちまったもんは仕方ない。




『奏大ー、おまたー。』




ほら、俺の名前を呼ぶあの声が、




『うわ、やっぱ様んなってるねー。』



俺を見て褒めてくれる言葉とか、


意識してるんじゃないかと、自意識過剰になってしまう。


でも、それでいい。俺の気持ちが伝われば、


なんでもいい。


だから俺も、意識させるような言葉を言う。




「Aも今までで一番綺麗だ。」


『、え、ぁ、ありがとう、』




少し照れながら俯く素ぶりが、可愛くて仕方ない。


あぁ、もう気持ち悪くてもいい。


でも、辛いのはやっぱ、こんなに相手を想っていても、


相手は気づいていないこと。


その赤らめた顔を、俺以外に見せているなんて想像したら、


胸がモヤモヤしてたまらない。




「照れてんのか？笑笑」


『は！？照れてないし？』


「冗談はよせよ、顔真っ赤なくせに。」


『っるっさい！///

あんま褒められる機会ないから仕方ないの！』





Aと喋れることがまず嬉しい。


でも、告白してしまえば今の関係が崩れるかもしれない。


ほんとに、片想いって怖いな。


辛い期間が長すぎる。





「今日は俺が褒めたくってやろうか？笑笑」


『いらね。』


「は？お前もっかい言ってみろ」


『いーらね！』


「あ"ぁ"？髪の毛ぐちゃぐちゃにすんぞ。」


『え、やだ、佐藤さんにチクる。』


「冗談だから。」





こんな時間が、楽しすぎる。


好きなやつと過ごせる文化祭、


こんなに楽しいんだな。




思いっきり楽しんでやる。

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